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漿液性卵巣癌における卵管采前癌病変の発癌機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K16883
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分56040:産婦人科学関連
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

杉本 澄美玲  奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (30645867)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
キーワード高異型度漿液性癌 / p53 signature / STIC / 正常卵管采上皮の抗酸化力の低下 / 癌細胞における抗酸化力の増加 / 卵巣漿液性癌
研究開始時の研究の概要

上皮性卵巣癌は1型と2型に分類され、1型には子宮内膜症から発癌する明細胞癌と類内膜癌が含まれる。
2型は高異型度漿液性癌で、正常の卵管上皮を発生母地として、前癌病変から卵巣癌へと進展することが、近年判明してきた。しかし、卵管上皮から多段階に発癌する機序や、その原因となる遺伝子、また癌へと進展させる危険因子については、いまだ解明されていない。
今回、正常卵管上皮から前癌病変および浸潤癌へと進展する機序や、原因遺伝子、危険因子などについて、患者検体および培養細胞株を用いて検討し、癌の早期発見や、発癌の予防へと繋げることを目的として研究を行う。

研究実績の概要

上皮性卵巣癌は1型と2型に分類され、1型には子宮内膜症を前癌病態とする明細胞癌が含まれる。2型は高異型度漿液性癌(High-grade serous carcinoma:HGSC)であり、p53やBRCA1/2がドライバー遺伝子と考えられ、正常卵管采上皮から分泌細胞の伸長(secretory cell outgrowth:SCOUT)、p53 signature、Dormant serous tubal intraepithelial carcinoma (STIC)、Active STICを経てHGSCに至るまで、段階的な遺伝子変化の蓄積によって発生すると考えられている。CD44v9は、細胞膜のシスチン・グルタミン酸トランスポーターを安定化し、細胞内へのシスチンの取込みを増加させ抗酸化物質グルタチオンの生成を促進し、活性酸素種に対する抵抗性を高める。先行研究では、卵管采の前癌病変では、p53変異に続いて起こるCD44v9発現低下によって活性酵素腫への抵抗力が弱まり、上皮内癌への進展に寄与する。
今回、HGSCの各段階の卵管采前癌病変における酸化ストレスの程度を酸化ストレスのマーカーで測定し、CD44v9の発現低下後の酸化ストレスの程度と、癌の進展、進行期、血清学的、予後などの臨床因子とを比較検討した。まず、患者30名の癌組織および卵管采組織の計60検体を対象とし形態学的特徴とp53およびCD44v9の蛋白発現、Ki-67の発現を判定し、免疫組織化学的に卵管采病変を分類した。それらをHO-1および8OHdGの酸化ストレスマーカーで免疫染色し、染色強度をスコア化し評価した。統計解析の結果、卵管采の前癌病変では、CD44v9の発現低下の後、酸化ストレスの強度が癌の進行期に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

過去の病理組織のパラフィン包埋ブロックでは、古いものでは抽出DNAや免疫染色の質が落ちるため、卵管采病変を有する卵巣癌症例の蓄積にやや難渋しているため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究で、卵巣の髙異型度漿液性癌における卵管采の前癌病変について、CD44v9発現低下と、その後の酸化ストレスの強度によって発癌が加速することが示された。今後、酸化ストレスに晒された後、癌細胞のどの遺伝子変異ないし遺伝子発現が起こりp53mutationを引き起こすか、解明していく。また、臨床データを解析し、年齢因子ないし引き金となる変異からの時間経過が関与しているか調べる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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