研究課題/領域番号 |
22K16884
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
村上 圭祐 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90597064)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 子宮内膜症性卵巣嚢胞 / 腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術 / AMH / Th1/Th2 / 生殖補助医療 / 卵巣予備能 / 卵巣嚢胞摘出術 / アレルギー性炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内膜症性卵巣嚢胞による慢性炎症環境が卵巣予備能を低下させ、手術による嚢胞摘出が更に卵巣予備能低下を引き起こすため、その取り扱いには苦慮する。子宮内膜症の病態にはアレルギー反応が亢進していることが報告されている。この過剰なアレルギー反応が、子宮内膜症による卵巣予備能低下を助長している可能性が考えられる。本研究では、子宮内膜症性卵巣嚢胞に対して腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術を行う女性の血液中や腹水中のアレルギーマーカーの発現量と手術前後での卵巣予備能の指標である抗ミュラー管ホルモン(AMH)の変化を解析し、アレルギー反応が卵巣予備能低下に及ぼす影響を解明する。
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研究実績の概要 |
子宮内膜症性卵巣嚢胞は疼痛や不妊、破裂・感染・癌化のリスクなどから腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術が必要になることが多いが、手術に伴う卵巣予備能低下が近年問題となっている。本研究では順天堂大学医学部附属順天堂医院で子宮内膜症性卵巣嚢胞に対して腹腔鏡下卵巣嚢胞摘出術を施行予定の患者50名に対して、術前1ヵ月、術後1ヵ月、術後4ヵ月に血液検査でAMH、Th1/Th2比を測定し、手術時に腹水を採取し腹水中のヘルパーT細胞分化サイトカインを測定し、血中Th1/Th2比や腹水中のヘルパーT細胞分化サイトカインの分泌パターンと手術前後でのAMHの変化について解析していく。2023年度には6名の研究参加者に手術を施行した。手術時の平均年齢は35歳、平均嚢胞径は7cm、片側卵巣嚢腫摘出術が4例、両側卵巣嚢腫摘出術が2例であった。手術時間の平均は104分、術中出血量は7ml、rAFSスコアは35.2であった。AMH(ng/ml)の平均は術前1ヵ月で3.2、術後1ヵ月で2.0、Th1は術前1ヵ月で19.8%、術後1ヵ月で20.5%、Th2は術前1ヵ月で2.6%、術後1ヵ月で2.8%、Th1/Th2比は術前1ヵ月で8.6、術後1ヵ月で8.7であった。術前1ヵ月と術後1ヵ月でのΔAMHの平均は1.2であった。片側卵巣嚢腫摘出術ではΔAMHの平均が0.5であったのに対し、両側卵巣嚢腫摘出術ではΔAMHの平均が2.4と両側摘出術でAMHの低下はより大きかった。今後症例を蓄積し、血中Th1/Th2比や腹水中のヘルパーT細胞分化サイトカインの分泌パターンと手術前後でのAMHの変化について解析していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床業務が忙しいこともあり、申請書類や検査委託業者との調整に予想以上に時間を要したため、研究開始が遅れた。2023年度から症例リクルートを開始しているが、手術ではなく薬物療法が選択される患者もおり、想定よりリクルートのペースが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
外来で症例を積極的にリクルートし、データ収集を推進していく。
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