研究課題/領域番号 |
22K16887
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
加藤 雅彦 日本医科大学, 医学部, 助教 (90614751)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 早産 / アラーミン / 羊水 / 自然免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
目的 本研究では羊水中および胎盤内のアラーミンを解析し早産発症への関与を明らかにすることを目的とする。 早産の重要な原因の一つに絨毛膜羊膜炎(CAM)が挙げられる。しかしながらCAMを伴わない早産も多く認められ、その原因として自然免疫や無菌性炎症といった概念が注目されている。 本研究では自然免疫を介し無菌性炎症を惹起するとされるアラーミンと呼ばれる分子群に着目し、早産発症メカニズムの解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
早産は最も多く遭遇する産科合併症であり、児の予後を大きく左右する。一般に病原体感染に起因する絨毛膜羊膜炎(chorioamnionitis:CAM)は主要な早産の原因であるものの、CAMを伴わず原因不明に分類せざるを得ない症例も多く、その発症メカニズムには不明な点が多い。近年、心血管疾患、腎臓病、糖尿病などの領域において、強い炎症を惹起する“アラーミン”と呼ばれる分子群が注目されている。このアラーミンは生体の免疫系に作用、無菌性炎症を惹起し様々な病態を引き起こす。本研究では羊水中のアラーミンを解析するとともにそれによって惹起される免疫機構の検索を目的とする。 本研究では帝王切開術中に採取された羊水を検体として取り扱うが、骨盤位や既往帝王切開の適応で予定帝王切開に至った症例(陣痛なし)、分娩進行中、分娩停止となり緊急帝王切開となった症例(陣痛あり)との比較を行う。さらに早産や妊娠高血圧腎症などの妊娠合併症症例の検索も行い、陣痛発来やさまざまな産科合併症に関わる、アラーミン、免疫細胞動態を解析する。 現在サンプルとして、予定帝王切開術中で採取した陣痛を有さない症例、陣痛を有する症例、子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧腎症、早産などさまざまな症例の羊水を採取している。 さらに流早産モデルマウスを使用した動物実験も計画している。これらマウスの羊水を採取し、免疫細胞、アラーミン、サイトカインの解析を行い、流早産発症に寄与する因子の模索も行い、ヒト羊水との相同性を検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究期間において、研究者が所属する期間の倫理委員会承諾を得て羊水サンプルの検討が始められた。陣痛あり/なしの症例、子宮内胎児発育不全、妊娠高血圧腎症、早産症例などこれまでおよそ50症例が集められた。本年度はこれらに存在するアラーミン、サイトカイン、酸化ストレスなどの各解析を予定している。 さらに流早産モデルマウスを使用した動物実験も開始しており、羊水中の免疫細胞およびアラーミン、サイトカイン、酸化ストレス解析も手技を確立し可能となった。今後ヒト羊水との相同性を検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
本研究期間において、研究者が所属する期間の倫理委員会承諾を得て羊水サンプル採取が行われ、これまでおよそ50症例が集められた。本年度はさらに症例数を増やすとともに、これらに存在するアラーミン、サイトカイン、酸化ストレスなどの各解析を行う。ELISA法、electrochemiluminescence法、酸化還元分析装置(REDOXLIBRA)を用いる予定である。 さらに流早産モデルマウスを使用した動物実験も開始しており、妊娠マウス羊水中の免疫細胞およびアラーミン、サイトカイン、酸化ストレス解析行い、ヒト羊水との相同性を検討していく。
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