研究課題/領域番号 |
22K16889
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
劉 昌恵 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00849581)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 着床 / オルガノイド / 不妊症 / 不育症 |
研究開始時の研究の概要 |
原因不明不妊・不育症や着床不全においては不明な点が多く、また過去の研究では、子宮内膜を構成する内膜上皮細胞もしくは内膜間質細胞の単一細胞培養でのin vitroやin vivoの研究結果であり、生体内に近い細胞間の相互作用をみたものではない。今回、ミニ子宮であるヒト子宮内膜オルガノイドを作成し、内膜上皮細胞と内膜間質細胞による細胞相互作用の理解を深め、着床の基盤となる内膜間質細胞の脱落膜化や内膜増殖能の確認、年齢・疾患・薬剤投与による相違を検証し着床機構の解明の一助とすることで、将来的なヒト胚使用によるさらなる詳細な着床機構解明への可能性について検証する。
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研究実績の概要 |
本研究は、ヒト子宮内膜オルガノイドを作成することで、難治性不妊の治療対象である高齢患者や着床不全患者、難治性不育症患者における着床機構の解明により、新たなる検査治療の発展への貢献と、着床不全における新たなる治療戦略の足掛かりの発見を目的としている。また、具体的には、ヒト子宮内膜オルガノイドを作成することで、子宮内膜上皮細胞と間質細胞による細胞相互作用の理解を深め、月経周期や年齢、着床不全・不育症の疾患における内膜の反応性の検証や薬剤投与による変化、さらに子宮内膜幹細胞を同定することで子宮内膜増殖能や再生能の確認を目的としている。 本研究計画は、様々なヒト子宮内膜検体(年齢別、月経周期別に採取)から、ヒト子宮内膜オルガノイドを作成し、またHE染色、免疫染色、蛍光免疫染色などを行い、既知の子宮内膜と同様な機能的構造的変化を伴うかどうかを検証することであった。 またそれぞれの条件下で、着床能の指標であるLIF、STAT3、リン酸化STAT3の発現を確認し、内膜増殖能の指標であるBmi1、Sox2、Ki67の発現を蛍光免疫染色、リアルタイムPCRにより比較する予定であった。 しかし実際は、初年度から研究計画が遅れ、ヒト子宮内膜検体数の採取不足であったり、検体採取時期の不適合であったり、検体処理の際の選別が不十分不完全であることが原因と考えられるが、ヒト子宮内膜オルガノイドの作成が成功しなかった。一定した3次元構造をもつオルガノイド作成のためには、作成量と質に関してさらなる作成技術の刷新が必要と考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度に引き続き、ヒト子宮内膜検体の採取が困難な状況であり、十分量の適切な時期の適切な検体量の採取ができていない状況である。また、検体処理のタイミング、選別が不十分かつ不完全のためなのか、ヒト子宮内膜オルガノイドの作成に成功を修めることができなかった。一定した3次元構造をもつオルガノイド作成のために必要なは、作成の量と質に関して、別の作成技術の創意工夫が必要と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
3次元構造をもつヒト子宮内膜オルガノイドの作成に際して、適切と考えられるヒト子宮内膜検体の採取時期の検討が最優先として必要である。そのためには、検体採取量と症例数をを増やして適切な時期を見極める。オルガノイドの作成が確立され、再現性を得れるものになれば、今年度の予定はある程度挽回できることが期待できる。 そのためには、オルガノイド作成数の増量と作成技術の躍進が必要と考える。
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