研究課題/領域番号 |
22K16902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
椋代 茂之 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00821860)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 声帯瘢痕 / TGF-β1/Smad signaling / 選択的エストロゲン受容体修飾薬 / TGF-β/SMAD signaling |
研究開始時の研究の概要 |
声帯瘢痕は難治性線維化疾患である。音声障害によるダメージは大きく、新規治療法の開発が急務である。 SERM (選択的エストロゲン受容体修飾薬) は骨粗鬆症や乳癌の治療薬であるが、近年抗線維化作用が明らかになった。研究代表者は、エストロゲンが声帯損傷時に受容体を介して声帯線維芽細胞のTGF-β/Smad signalingに作用し、抗線維化作用を示すことを解明した。エストロゲンの副作用を解決するために開発されたSERMは、安全かつ効率的に声帯創傷治癒を改善させることが示唆される。 本研究は、SERMの声帯瘢痕治療への臨床応用を目指す画期的な試みであり、声帯瘢痕による音声障害の解決策を提供する。
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研究実績の概要 |
声帯瘢痕は難治性線維化疾患である。音声障害によるダメージは大きく、新規治療法の開発が急務である。 SERM (選択的エストロゲン受容体修飾薬) は骨粗鬆症や乳癌の治療薬であるが、近年抗線維化作用が明らかになった。研究代表者は、エストロゲンが声帯損傷時にエストロゲン受容体(ERαやGPR30)を介して声帯線維芽細胞(VFFs)のTGF-β/Smad signalingに作用し、抗線維化作用を示すことを解明した。エストロゲンの副作用を解決するために開発されたSERMは、安全かつ効率的に声帯創傷治癒を改善させることが示唆される。 今回我々は、代表的なSERMであるタモキシフェン(TAM)に注目し、培養したラットVFFsにTAM(10-8または10-9 M)±TGF-β1 (10 ng/ml) を投与して、24・48時間後の細胞増殖能と4・24時間後の線維化関連遺伝子の発現を調べた。その結果、TAM単独投与はVFFsの細胞増殖能には有意な影響を与えず、TAM+TGF-β1群ではTGF-β1群に比較してSmad7とHas3の発現が有意に増加し、Col1a1とActa2が有意に減少した。 以上からTAMはVFFsのエストロゲン受容体を介しTGF-β1/Smad signalingに作用して抗線維化作用を示すことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まずは10週齢雄SDラットの声帯組織から声帯線維芽細胞を培養した。各種薬剤を投与した後に、細胞増殖アッセイやqPCRを用いることで、タモキシフェンが声帯線維芽細胞のTGF-β1/Smad signalingに作用して抗線維化作用を示すことを明らかにできた。
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今後の研究の推進方策 |
10週齢雄SDラットの片側声帯を内視鏡下に損傷し、損傷5日前から7日後までTAM (50 mg/kg/day)を経口投与する。56日目に喉頭摘出後、薄切凍結切片を作成してHE染色・AB染色・EVG染色をおこない、組織学的に声帯粘膜固有層を評価する予定。
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