研究課題/領域番号 |
22K16910
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
黒川 友哉 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (80837120)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | NDB / 耳鼻咽喉科 / 気象 / リアルワールドデータ / 環境因子 |
研究開始時の研究の概要 |
A.臨床専門家意見とデータ分析を融合した疾患定義の構築: 対象疾患に対して行われる特異的な検査、処置、投薬のコードを組み合わせることで疾患有病をNDB上で再現し、それに基づいてNDBを集計し、既存の全国統計等と照合することで妥当性検証を行う。この手順を繰り返すことで疾患定義や真に行われた診療行為を確定する作業である。 B.環境因子の地域分析:国内の環境情報は、気象庁が公開するデータベースから取得する。 C.既存臨床データベースとNDBとの連携 結合による疾患定義:個人単位被保険者番号によるデータベース結合が国の制度として稼働次第、本項目Cを迅速に実施する用意がある。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、環境による健康影響評価についての新しい研究手法を確立し、気候・季節関連因子と人々の病気・健康の関係性を解明することである。この目的を達成するため、令和4年度はNDB利用申請を行い、計画通り承認が得られている。また、同時に当初の計画どおり中枢性及び末梢性めまい疾患、顔面神経麻痺、喘息の疾患定義を構築した。構築に当たって、臨床疫学の専門家、各疾患の専門家及び気候疫学の専門家への参画をいただき精緻な定義を構築し得た。 疾患定義の構築にあたって、レセプト上での誤分類を避けるため類似疾患について「傷病名」、「処方薬」及び「診療行為」を組み合わせて特定することを試みこれを除外することとした。 めまい疾患の検討に際して、注目する気候因子として気圧に焦点をあて、外表からの解剖学的位置及び構造から気圧の影響を受けうるのは内耳性めまいであると想定することとした。 その上で、内耳性めまい疾患を「内リンパ水腫関連疾患」、「遅発性内リンパ水腫」、「前庭神経炎」、「良性発作性頭位めまい症(BPPV)」に分類して検討を行うこととした。それぞれの分類ごとに疾患定義及びwashout time等を設定し、症状の発現による受診を精度高く検出するよう解析計画を作成した。 顔面神経麻痺として、原因が特定可能な顔面神経麻痺として「中枢性顔面神経麻痺・陳旧性顔面神経麻痺」「感染症 (髄膜炎・脳炎・脳膿瘍/耳炎性疾患/その他)」「頭頚部腫瘍・脳腫瘍・原発不明癌」「全身免疫疾患」「先天性疾患」「脳梗塞・脳出血」の疑い病名を除く傷病名が、基準月の前後1か月以内に有する患者を除外することとした。また、原因が特定可能な顔面神経麻痺として「頭頚部外傷・多発外傷」の疑い病名を除 く傷病名が,基準月を含む後1か月以内に有する患者を除外することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画のとおり、令和4年度はNDB利用申請を行い、計画通り承認が得られている。また、同時に当初の計画どおり中枢性及び末梢性めまい疾患、顔面神経麻痺、喘息の疾患定義を構築した。以上より進捗状況はおおむね順調に進展していると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、令和4年度までに構築した疾患定義を用いてNDBからのデータ抽出依頼を行う。データの到着時期に計画が大きく左右されることが予測されるが、データ到着までの間に各疾患ごとに着目すべき気候因子について先行研究に基づき仮説を構築し、それぞれの疾患ごとに統計解析計画の固定作業を行う。 また、同時に気象庁、環境庁等が保有する気象データベースから、抽出対象となる地域の気象因子について経年データを取得し、解析可能な形式にデータを整理することで今後の解析準備を行う。
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