研究課題/領域番号 |
22K16921
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 健介 関西医科大学, 医学部, 講師 (80533182)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / NIS / レンバチニブ / I-131 / I-131抵抗性 / 分子標的薬併用放射線療法 |
研究開始時の研究の概要 |
I-131抵抗性甲状腺癌の10年生存率は約10%と極めて不良で、分子標的薬単独での治療効果は限定的であり、新たな治療法の開発が求められている。本研究では、甲状腺癌細胞株を用いてNISの発現・機能を促進させる分子標的薬を選定し、腫瘍へのI-131の取り込みとその治療効果を高める可能性がある薬剤の絞り込みを行う。また、レンバチニブを含む複数の分子標的薬とI-131の併用による抗腫瘍効果をin vitro / in vivoにおいて検証する。本研究の発展により、I-131抵抗性の難治性甲状腺癌に対する新たな分子標的薬併用I-131内用療法の確立とその臨床応用が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、細胞内へのヨウ素取り込みに重要な役割を果たすナトリウムヨウ素共輸送体(sodium / iodine symporter: NIS)に注目し、NISの発現・機能を促進する分子標的薬、レンバチニブ、I-131との3者併用による抗腫瘍効果について検討することにより、I-131治療抵抗性の難治性甲状腺癌に対する新たな分子標的薬併用I-131内用療法の確立を目指す。まず、2022年度はI-131とレンバチニブの併用による抗腫瘍効果について検討した。甲状腺癌細胞K1, K1-NIS(K1細胞にNISを強発現させた細胞)を用いたコロニー形成アッセイにより、いずれの細胞株においてもI-131とレンバチニブの併用により強い細胞増殖抑制効果が得られ、NISを高発現する細胞においてその効果はより顕著であることを明らかにした。担癌マウス(K1-NISを皮下に移植したモデルマウス)を用いたin vivo実験においてもI-131とレンバチニブの併用により高い抗腫瘍効果が得られた。一方、甲状腺癌細胞(K1, K1-NIS)におけるレンバチニブ投与後のNISをはじめとしたI-131の取り込みに関わる分子(TSHR、Tg、TPO、Pax8など)の発現変化を検討したが、いずれの細胞株においても有意な変化は認めなかった。今後は甲状腺癌細胞におけるNISの発現および機能を亢進させる薬剤を選定し、その薬剤とI-131、レンバチニブとの併用効果につき検討を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
甲状腺癌細胞および担癌マウスを用いた実験において、レンバチニブとI-131の併用療法による高い抗腫瘍効果(相乗効果)が確認された。とくにNISの発現が亢進している甲状腺癌において併用療法による相乗効果が高いことが示された。NISの発現が低下している腫瘍に対する併用療法の効果は不十分と考えられ、今後の課題ではあるが、現在のところ当初の研究計画通り順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度のin vitro/in vivo実験の結果から、NISを発現する甲状腺癌においてはI-131とレンバチニブの併用により強い抗腫瘍効果が得られる可能性が示された。しかしながら、臨床の現場において問題となるI-131抵抗性甲状腺癌の多くは分化度が低下するに従ってNISの発現・機能が低下するとされている。今後はこれらI-131抵抗性甲状腺癌においてNISの発現および機能を回復させるような薬剤の同定と、さらにはレンバチニブ、I-131との併用療法の効果を検討する必要がある。具体的な方法として、131I 抵抗性の甲状腺癌細胞株(K1,FTC-133)に対しMAPK経路の阻害作用を有する分子標的薬(selumetinib、dabrafenib、trametinib)を投与し、NIS、TSHR、Tg、TPO、Pax8などI-131の取り込みに関わる分子の発現をqPCRやウエスタンブロッティングを用いて解析し、I-131の効果を増強させ得る薬剤の絞り込みをおこなう。次に、候補となる薬剤の投与により細胞内への I 取り込みが亢進するかについてガンマカウンターを用いて検討する予定である。
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