研究課題/領域番号 |
22K16939
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 智哉 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30896311)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 抗VEGF薬 / Drug Delivery System / DDS / Bevacizumab |
研究開始時の研究の概要 |
抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬は加齢黄斑変性等の網膜疾患の第一選択の治療となっているが,薬剤の眼内滞留性が悪く,約2ヶ月おきの繰り返しの治療が必要であり,患者・医療者双方の負担となっている.申請者は,ボロン酸とジオールが動的に結合と解離を繰り返す特性を有している 点に注目し,抗VEGF薬にボロン酸を結合させ,硝子体内のヒアルロン酸に存在するジオー ル残基と動的に結合させることで,抗VEGF薬の眼内滞留性向上を目指す研究を行う.今回の研究では,ボロン酸を抗VEGF薬に結合させ,ヒアルロン酸溶液内での拡散速度の検証や, 家兎の眼内に注射しボロン酸修飾が眼内滞留性に与える影響の検証を行う.
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研究実績の概要 |
抗血管内皮増殖因子(VEGF)治療は加齢黄斑変性をはじめとした網膜硝子体疾患の予後を劇的に改善した.その一方で,約2ヶ月おきの頻回の治療が必要であり,さらに薬価も高額であることから,患者,医療者,医療経済への負担が極めて大きな治療である.薬剤の硝子体腔内の半減期が数日と極めて短いのがその原因であり,申請者等は,ポリエチレングリコール(PEG)を用いて抗VEGF薬の眼内の滞留性を向上させることを目的に研究をおこなっている. 令和4年度は以下の二つの実験を主に行なった. 1. PEG gelから放出された抗VEGF薬(Bevacizumab)の薬理作用の確認:BevacizumabにPEGが付着することで薬理作用が低下する可能性が考えられた.PEG gelからBevacizumabを放出させるとBevacizumabにPEGが結合することが過去の実験で明らかとなっていたため,PEG gelから徐放されたBevacizumabの薬理作用をVEGF Bioassay kitを用いて確認したところ,コントロールのStandard Bevacizumabと同等の作用を示し,PEGの付着により薬理作用が低下しないことを示した.この実験結果の一部を論文化した(Murakami T, et al. Analysis of the sustained release ability of bevacizumab-loaded tetra-PEG gel. Exp Eye Res. 2022 Oct;223:109206.). 2. BevacizumabへのPEG-FPBAの修飾:PEG-FPBAをBevacizumabに修飾することで硝子体との動的な結合が生じ,眼内滞留性が向上することが期待され,PEG-FPBAによる修飾を試みている.しかし安定した合成が得られず,Bevacizumab-PEG-FPBAの作成に苦慮している状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
安定したBevacizumab-PEG-FPBAの合成が行えておらず,Bevacizumab-PEG-FPBAを用いたin vitro, in vivoの実験が行えていないため.
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今後の研究の推進方策 |
FPBA-PEGの合成条件を調整し,安定した合成を得られるように努める.またFPBAの種類も様々なものを用意し,安定した合成を行えるものを探索する.Bevacizumab-FPBA-PEGの安定した合成が得られれば,in vitroの実験として,ヒアルロン酸溶液内での拡散速度の低下の確認,そして,in vivoの実験として兎眼内での拡散速度の低下の確認を行う予定である.
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