研究課題/領域番号 |
22K16951
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
小林 正明 山口大学, 医学部附属病院, 学術研究員(寄附金) (70845015)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | nAMD / BPUs / RPE / CNV / 線維化 / MRTF |
研究開始時の研究の概要 |
nAMD治療の第一選択薬であるVEGF(抗血管内皮増殖因子)薬は根治的ではなく、治療抵抗例も見られることから、新規治療薬の開発が強く望まれる。新規に合成したBPUs(ベンゾイルフェニルウレア誘導体)を用い、RPEにおけるメカノストレスを基点としたnAMDの発症、CNVおよび線維化の増悪における新たな分子機序の解明を行い、抗VEGF薬と併用または代替可能な新薬へと発展させることを目指す。
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研究実績の概要 |
nAMD(滲出型加齢黄斑変性)治療の第一選択薬である抗VEGF(血管内皮増殖因子)薬は根治的ではなく、治療抵抗例も見られることから、新規治療薬の開発が強く望まれる。新規に合成したBPUs(ベンゾイルフェニルウレア誘導体)から得られた化合物であるBPU17を用い、RPE(網膜色素上皮)細胞におけるメカノストレスを基点としたnAMDの発症、CNV(脈絡膜新生血管)および線維化における分子機序の解明を行い、抗VEGF薬に代わる新薬へ発展させることを目指す。本研究は、nAMDの病態がRPE細胞と関連するという考えに基づき、RPE細胞におけるMRTF(ミオカルディン関連転写因子)のメカノホメオスタシス機能を解析することで、BPU17が持つCNV、および網膜下線維症に対する作用と分子機序を明らかにして、nAMD治療薬として臨床応用の可能性を検討することを目的としている。 in vitro解析では、2次元培養した不死化ヒトRPE細胞を用いた創傷治癒アッセイにおいて、BPU17がRPE細胞の遊走能に抑制的に作用することが示されたが、有効濃度の決定にはさらに検討を要する。 in vivo解析では、C57BL/6Jマウスに網膜光凝固を施行して網膜下繊維症を誘導したAMDモデルに、BPU17の硝子体腔内投与を行い、作成した眼球フラットマウント標本に対して、抗I型コラーゲン抗体による蛍光免疫染色を行い評価した。染色により蛍光した面積を測定し、線維化を定量評価した結果、BPU17が濃度依存的に線維化を抑制することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
①BPU17がRPE細胞の遊走能に与える変化の検討、②BPU17と培養したRPE細胞から抽出したタンパク質によるイムノブロット、およびmRNAによるリアルタイムPCR法を用いた解析、③C57BL/6Jマウスを用いたCNVモデルによるBPU17のCNV抑制効果の検討、④C57BL/6Jマウスを用いた網膜下線維症モデルによるBPU17の線維化抑制効果の検討、⑤MRTF遺伝子ノックダウンマウスの作製、およびその標本を用いた免疫組織学的検討のうち、②③⑤においては、現時点で検討不十分もしくは未検討である。⑤についてはMRTF遺伝子ノックダウンマウスの作製を行ったが、実験に用いるための十分な個体数を確保できておらず、進捗に遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
C57BL/6Jマウスを用いたCNVモデルによるBPU17のCNV抑制効果の検討は、C57BL/6Jマウスを用いた網膜下線維症モデルによるBPU17の線維化抑制効果の検討で得られた結果を元に、条件の再検討と再現性の確認を行いながらアッセイを進める。 作製したMRTF遺伝子ノックダウンマウスの個体数を確保し、標本の免疫組織学的検討を進める。上記のin vivoでのアッセイを優先して進める。
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