研究課題/領域番号 |
22K16955
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
寺尾 信宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80827361)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 中心性漿液性脈絡網膜症 / 加齢黄斑変性 / サイトカイン |
研究開始時の研究の概要 |
中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)において脈絡膜肥厚、脈絡膜血管拡張、脈絡膜血管透過性亢進などの画像所見で表現される脈絡膜異常と、それに引き続く脈絡膜新生血管(CNV)形成と言うCSCに認められる2つの病態をつなぐ分子機序を解明し、その病態本質に即した適正な医療体系を提供することにある。 本研究ではVEGF以外の血管作動性、血管抑制因子の前房水内動態を解析、脈絡膜画像および脈絡膜組織臨床検体と照合検証することで、脈絡膜異常およびCNV形成に関与する主要なサイトカインを同定する。
|
研究実績の概要 |
研究の主目的は中心性漿液性脈絡網膜症(CSC)において脈絡膜肥厚、脈絡膜血管拡張、脈絡膜血管透過性亢進などの画像所見で表現される脈絡膜異常と、それに引き続く脈絡膜新生血管(CNV)形成と言うCSCに認められる2つの病態をつなぐ分子機序を解明し、その病態本質に即した適正な医療体系を提供することにある。本研究ではVEGF以外の血管作動性、血管抑制因子の前房水内動態を解析することで、脈絡膜異常およびCNV形成に関与する主要なサイトカインを同定することである。 前年度はCNV陽性CSC(pachychoroid neovasculopathy:PNV)、滲出型AMD、正常コントロールにおいて少数例で血管作動性サイトカインを測定した。候補とした血管作動性因子について、Angiogenin 、Angiopoietin-1 、Endostatin、FGF-acidic、FGF-basic、PDGF-AA、PDGF-BB、PlGF、Thronbospondin-2、VEGF、VEGF-Dを測定した。PNV、滲出型AMDについては初診時および抗VEGF加療3か月後の血管作動性因子を測定した。結果から、Angiopoietin-1、Endostatin、VEGF、Thronbospondin-2についてはPNVおよび滲出型AMDと関わりがある血管作動性因子の可能性が示唆された。 2023年度は予備実験で絞り込まれたAngiopoietin-1、Endostatin、VEGF、Thronbospondin-2ターゲットを絞りこみ、PNV、滲出型AMD、正常コントロールの前房水を測定すべく、サンプル収集を行っている。さらにAMDの前駆病変であるドルーゼンの前房水、一部の症例で血漿サンプルを収集しており、前房水のサイトカイン測定が早期AMDのバイオマーカーとなりえるか検討してい方針である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗VEGF加療を要する加齢黄斑変性、PNV患者の受診率が低下している。 当初予定していた検体数を得ることができない。
|
今後の研究の推進方策 |
予定した研究のサンプル不足の取得は困難と判断し、AMDの前駆病変であるドルーゼンサンプルの収集を開始している。早期AMDは眼底所見として、ドルーゼン、網膜色素上皮(RPE)異常が認められるが、時間の経過とともに、脈絡膜新生血管やRPE萎縮などの視力予後不良な後期AMDへ進展することが知られている。現状、早期AMD診断における診断指標は眼底診察時におけるドルーゼンの存在およびRPE異常を認めることであり、病態の基礎となる、極早期のRPE異常の検出は診察および検査機器では不可能である。我々はRPE異常とmiRNAが密接に関与し、miRNA検出がRPE異常すなわち極早期AMDの病期を反映している可能性があると考えている。本研究では早期AMD患者において、前房水や血漿サンプルが早期AMD(前駆病変)のバイオマーカーになり得るかを追加で検討する方針である。
|