研究課題/領域番号 |
22K16957
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
田中 寛 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60850899)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 黄斑円孔 / 羊膜 / ミュラー細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
黄斑円孔は視力を司る黄斑部に円孔が生じ、著明な視力低下や歪視をきたす疾患である。硝子体手術の進歩に伴い黄斑円孔の閉鎖率は向上したが、複数回の手術でも円孔閉鎖が得られない難治性黄斑円孔がいまだ存在する。その様な難治性黄斑円孔に対して、近年、羊膜移植といった新しい術式が提案されている。ただ、その治療による円孔閉鎖のメカニズムの詳細は不明である。 今回、我々は「黄斑円孔の組織修復メカニズムの解明および羊膜を用いた治療の可能性」について検討を行う。本研究を通して、羊膜が網膜グリア細胞の足場としての役割を果たし円孔閉鎖を促すことが可能であるか、また解剖学的閉鎖に伴う機能改善のメカニズムを明らかにする。
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研究実績の概要 |
難治性黄斑円孔に対して他家移植である羊膜移植が注目されているが、未だ組織修復や視機能改善のメカニズムは明らかにはなっていない。本研究の目的は、in vitro実験において羊膜上と網膜細胞の遊走伸展との関係を明らかにし、家兎の黄斑円孔モデルを用いて生体内での羊膜の役割を明らかにすることである。 昨年度行ったミュラー細胞の羊膜に対する接着能、遊走能のin vitro実験の検討においてはミュラー細胞は羊膜の上皮側では仮足を伸ばし、縦横比が高い接着像が得られた一方で絨毛膜 側では円形で縦横比が低い接着性を示す像が得られた。遊走実験においては、上皮側では絨毛膜側に対して有意に遊走能が高い(t検定; p<0.05)結果が得られ た。 次に、in vivoでの羊膜移植の有効性を確認するため、家兎の網膜円孔モデルを作成した後、コントロール(無治療群)と羊膜移植を行った群(羊膜群)におい て組織修復過程の差を画像解析にて確認した。修復後の組織を家兎の黄斑円孔モデルに対して羊膜を挿入し2mm径の円孔部に同径の羊膜を留置し、術後のOCT画像 の取得に成功した。術4週間後の円交閉鎖率は無治療群が0%であったのに対し、羊膜移植群では100%であった。術4週間後に屠殺し、組織学的検討、免疫蛍光染色で評価を行ったところ、羊膜の絨毛膜側が円孔底に接しており、その上を周囲の網膜組織から遊走し、円孔を被覆している像が確認された。また、蛍光染色ではanti-GS6抗体、またanti-GFAP抗体陽性細胞が羊膜上に遊走している像が確認され、ミュラー細胞が郵送していることが確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2年目の時点において、すでに家兎の円孔モデルの確立ができており、羊膜移植により閉鎖が得られることが判明している。 以上より当初の計画以上に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はより詳細に閉鎖メカニズムを確認するため、電子顕微鏡を用いて組織解析をおこなっていく。 また、データが出揃ったところで論文発表を予定している。
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