研究課題/領域番号 |
22K16978
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
三重野 洋喜 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80624387)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | GDF15 / TGFβ / 眼内液 / 眼生理学 / 緑内障 / ミトコンドリア |
研究開始時の研究の概要 |
緑内障はわが国の失明原因の第一位であり、加齢とともに増加する。最も多いsubtypeである原発開放隅角緑内障の発症の一因には、加齢に伴うミトコンドリア機能不全があると考えられている。 Growth/differentiation factor(GDF15)は、ミトコンドリア機能不全を示すバイオマーカーであり、原発開放隅角緑内障患者の前房水中ではGDF15が上昇している。本研究課題では、①前房水中のGDF15は前房内環境を反映しているか、②前房水中のGDF15は線維柱帯細胞の変性を引き起こすか、の問いを検証し、ミトコンドリア機能とGDF15を軸とした緑内障の病態解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本課題では、主に眼内液のGDF15の解析を行った。 発表済の内容としては、TGFβ isoformsとGDF15の前房水と硝子体での分布の特徴を、内眼手術の既往のない黄斑疾患に対する硝子体手術時に、同一症例から前房水と硝子体を採取し検討した。対象は39例で、年齢は67.1±7.5(平均±標準偏差)歳、眼軸は25.2±2.2mm、角膜内皮細胞数は2668±334/mm2、女性が18例だった。原因疾患は、網膜前膜が28例で最多だった。TGFβ1は、前房水では207.3±105.1pg/mlだったが、硝子体では37例で検出限界以下だった。TGFβ2は、前房水では2341.2±1494.8pg/ml、硝子体では602.0±466.5pg/mlで、前房水と硝子体の濃度に相関はなかった(相関係数 -0.0114、P値=0.945)。TGFβ3は、前房水では33例、硝子体では25例で検出限界以下だった。検体量の多かった35例でGDF15を測定したところ、GDF15は、前房水では70.8±68.1 pg/ml、硝子体では108.5±65.4 pg/mlであり、前房水と硝子体の濃度は相関していた(相関係数 0.562、P<0.001)。 未発表のものを含め、幅広く眼内液のGDF15を解析した結果から、眼内におけるGDF15の役割が明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
眼内液の解析については予定通り進捗した。Vitroの実験については十分に進めることができなかったため、引き続き他の研究課題で進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き2024年度から3年間の若手研究で「房水流出路におけるGDF15の眼圧変動への関与の解明」の採択を得た。本研究課題で得た知見を基に、GDF15が引き起こす眼圧変動への関与について明らかにしていく。
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