研究課題/領域番号 |
22K16979
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
高田 幸尚 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70647495)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 神経麻痺性角膜症 / ROCK阻害薬 / TRPV4 / 上皮幹細胞 / 糖尿病角膜症 |
研究開始時の研究の概要 |
三叉神経第一枝の障害は角膜上皮の恒常性の破綻の原因となる(神経麻痺性角膜症)。特に糖尿病に伴う神経障害の場合、糖尿病角膜症と呼ばれる。所属のマウス神経麻痺性角膜症モデルを用いた研究から三叉神経は輪部の上皮幹細胞の維持に必須であることが報告された。本研究課題では神経麻痺性角膜症マウスモデル及びストレプトゾシン投与による糖尿病角膜症のマウスモデルでRho/ROCKキナーゼ阻害薬の局所投与による角膜感覚神経の再生効果、輪部幹細胞の機能回復効果、および上皮治癒遅延に対する回復効果を検討する。神経麻痺性角膜症と糖尿病角膜症に対する新規治療戦略の提唱を目的とする。
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研究実績の概要 |
神経麻痺性角膜症モデルマウスはTRPV4の発現低下など角膜上皮創傷治癒においてTRPV4欠失マウスと類似の傾向を示すことを当教室から発表している。本研究開始から神経麻痺性角膜症モデルマウスは作成、飼育が困難な状況であったため、前年同様にTRPV4欠失マウスを用いた実験系の研究を継続した。 前年にRhoキナーゼ阻害薬Y27632によるTRPV4欠失マウスの角膜上皮創傷治癒の促進作用を確認したが、本年の研究にて同マウスの角膜上皮創傷治癒後の角膜輪部で増殖亢進がみとめた。このことから、TRPV4欠失マウスにおけるY27632による角膜上皮創傷治癒促進作用に細胞増殖亢進が関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
神経麻痺性角膜症に対する治療はこれまで対処療法しかなかった。前年の研究から神経麻痺性角膜症モデルマウスと角膜上皮創傷治癒において同様の傾向を示すTRPV4欠失マウスでRhoキナーゼ阻害薬Y27632による角膜上皮創傷治癒促進作用を確認した。今回の研究から、Y27632による角膜輪部の細胞増殖がTRPV4欠失マウスの角膜上皮創傷治癒促進に関与していることを確認した。当教室ではこれまでの研究から、神経麻痺性角膜症と角膜輪部機能低下の関連について報告しており、神経麻痺性角膜症の新しい治療戦略を目指す本研究において、Y27632による角膜輪部の増殖亢進作用を示唆する今回の結果は非常に重要な結果であったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で用いてきたTRPV4欠失マウスを用いてY27632により角膜知覚が回復するか検証を行っていく。また、今年までの研究結果とあわせて神経麻痺性角膜症モデルマウスを作成し、同マウスを用いてY27632の角膜上皮への影響を検討する。
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