研究課題/領域番号 |
22K16980
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂本 晋一 自治医科大学, 医学部, 助教 (30721071)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 深層学習 / 網膜非灌流領域 / 糖尿病網膜症 / 網膜静脈閉塞症 / カラー眼底写真 / 眼底写真 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症の網膜非灌流領域(non-perfusion area: NPA)は虚血により血管内皮増殖因子を産生し、失明に至る。NPAの検出にはアナフィラキシーショックのリスクある造影検査が必要だが、NPAの周囲にはいくつかの異常所見があり、カラー眼底写真からある程度の予想は出来る。造影検査からNPAを同定して深層学習し、カラー眼底写真からNPAを推測する人工知能の作成を試みており、NPA読影済み画像を大幅に増加し、精度の良い推測の実現を目指す。本研究の成果は、深層学習注視領域の可視化によるNPAを示す新規所見の探索、NPA進展危険領域の同定、危険所見の探索が期待される。
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研究実績の概要 |
超広角眼底画像(UWF)画像から、疑似カラー眼底写真の非灌流領域(NPA)の大きさを推定する人工知能(AI)モデルを開発し、そのAIの精度と妥当性を検証し、有用であると2022年に報告した。今回はさらに、それを4施設の多施設データで構築した。 自治医科大学附属病院と他3施設のクリニックの計4施設において、Optos California(Nikon, Tokyo)で撮影されたUWF眼底画像を使用し、UWF蛍光眼底画像をアノテーションしたNPAの画像を使用した。NPAのある1062枚および、NPAのない74779枚のカラー眼底写真をランダムに選択してPraNetで深層学習を行った。5分割交差検証を行い、検証にはBland-Altman plotを使用した。 多施設で構築したAIでの結果は、外れ値は3.7%で、推定NPAと実測NPAの面積差の平均値は+51.09mm2(21DA:乳頭面積)であった。近似曲線はy = -0.1094x + 64.762で、R2 = 0.0094で、誤差の許容範囲(LOA) は600mm2(250DA)であった。単施設から多施設にデータを増やすことにより、誤差は14DAから21DAへ、誤差の許容範囲(LOA)は125DAから250DAへ拡大した。 以上を第4回日本眼科AI学会にて筆頭演者として発表した。 現在さらに精度を向上させるためにデータを増やし他の様々なニューラルネットワークを試している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PraNetベースのディープラーニングを用いて、血管造影を行わずにUWF画像のみからNPAサイズを推定できるAIモデルを多施設のデータを使用し、開発した。
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今後の研究の推進方策 |
前年度で見極めた効率よく正確なニューラルネットワークいくつかを用い、多数のデータで学習し、一部のデータで実際に学習通りの予後になっているかの確認を行う。画像学習途中の画像を見える化を行い、人工知能が画像のどの部分を見ているかを見いだし、これからNPAになる未知の所見がないかを見極める。
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