研究課題/領域番号 |
22K16986
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
草島 英梨香 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30813547)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 低酸素応答因子 / HIF-1α / リンパ管新生 / リンパ節移植術 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ浮腫に対する外科的治療としてリンパ管静脈吻合術が行われているが、重症例では線維化が強く適応とならない場合がある。そういった症例に対して、血管柄付きリンパ節移植術の有効性が報告されているものの、移植リンパ節へのリンパ管再疎通率の低さが懸念される。我々は近年注目を浴びている低酸素応答因子(hypoxia-inducible factor, HIF)活性化薬のリンパ管新生効果に着目し、リンパ浮腫治療への応用を考えた。リンパうっ滞を生じさせた動物モデルにリンパ節移植、HIF活性化薬投与を行うことで、リンパ側副路誘導を検証し、重症リンパ浮腫に対する新たなリンパ流バイパス術の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
膝窩及び鼠径リンパ節を摘出し、リンパ流を破綻させたマウスへリンパ節移植を行った。移植部位、移植時血管柄の有無、HIF-1αの投与有無を問わず移植リンパ節へのリンパ流の誘導を認めなかった。リンパ鬱滞パターンの変化有無の検討で、移植リンパ節へのリンパ流誘導を認める個体がでてきた。リンパ節を移植しなくてもリンパ流が再疎通し、正常リンパ節が存在した部位で蛍光造影剤が鬱滞していた。該当部位で、色素法を用いて直視下で再疎通を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
異所性リンパ節移植は解剖学的に通常リンパ節が存在しない部位へ血管柄付き遊離組織として移植することで、間質液を静脈系へ戻す生理的な治療方法である。異所へのリンパ節へのリンパ流の開通を安定して誘導することは困難であったが、一部の症例で異所性リンパ節へのリンパ流の再疎通を確認することが出来た。また、リンパ節摘出後の部位で、蛍光造影剤の鬱滞を呈している症例で、色素法による直視下でのリンパ流の再疎通を確認することが出来た。異所性、遊離リンパ節へ安定してリンパ流を誘導する条件に対するさらなる研究が必要とされる。
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