研究課題/領域番号 |
22K17003
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
矢野 恵奈 (清川恵奈) 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (40805678)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | Id4 / 唾液腺 / 分化 / bHLH |
研究開始時の研究の概要 |
近年、加齢による唾液腺機能低下に伴い、口腔乾燥症(ドライマウス)が生じることが報告されている。唾液減少は、著しいQOL低下をもたらすが、口腔乾燥症の病態のみならず、唾液腺の恒常性変容機構についての詳細な分子基盤は、未だ明らかにされていない。 現在までに申請者は、Id4(Inhibitor of differentiation 4)が唾液腺の分化に重要な役割をもつことを見出している。そこで、本研究では、唾液腺におけるId4の標的転写因子、およびその下流遺伝子の同定を行い、唾液腺におけるId4の生理的意義、特に唾液腺の分化・老化機構と恒常性維持におけるId4の役割について、その分子基盤を追究する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、幼若マウスと老齢マウスの唾液腺を用いたmiRNA-RNA網羅的統合解析で同定しているId4、およびその発現を制御するmiR486-5pに着目し、唾液腺恒常性維持におけるId4の役割について解析した。その結果、加齢に伴う唾液腺の変化としてmiR486-5p発現上昇、Id4発現減少が生じていること、miR486-5pが直接Id4の発現を制御していること、Id4欠損によって唾液腺細胞の分化異常が生じていることが判明した。これより、Id4が唾液腺において、分化や恒常性維持に必須であることが強く示唆され、唾液腺の分化・老化やホメオスタシス制御機構を理解する上で重要な知見を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに、骨芽細胞や脂肪細胞、乳腺上皮細胞の分化制御にId4が寄与しているという報告はあるものの、唾液腺におけるId4の解析は全く行われてこなかった。そのため、本研究の研究結果が、唾液腺の分化・老化やホメオスタシス制御機構を理解する上で非常に重要な知見が提示された。また、本研究によって得られる知見は、加齢による口腔乾燥症の治療法や、唾液腺再生研究の発展に寄与することとなり、有意義である。
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