研究課題/領域番号 |
22K17012
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
西井 直人 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 助教 (40836285)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | PD-1阻害抗体 / 免疫プロファイル / 多重免疫染色 / 遺伝子変異プロファイル / 好中球リンパ球比 |
研究開始時の研究の概要 |
進行口腔癌に対し、抗PD-1抗体治療は画期的な成果を挙げているが、治療に応答する患者は限定されている。本研究では、抗PD-1抗体治療を受けた口腔癌患者において、メカニズムおよびタイムポイントが異なる3つの評価項目:「腫瘍の遺伝子変異」「腫瘍周囲の免疫環境」「全身の免疫応答」を詳細に解析する。各項目と治療効果の相関を解析し、1人1人の患者において、抗PD-1抗体を投与するとどの程度治療効果が得られるかを予測する、包括的な新規評価系の提案を目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、PD-1阻害剤を使用した口腔癌患者において、免疫プロファイル、遺伝子変異プロファイル、血液中の好中球リンパ球比率を測定し、複合的なバイオマーカー探索を目的としている。2022年度は、PD-1阻害剤を使用した舌癌患者の免疫プロファイル解析を行った。まず、カルテより詳細な臨床情報を収集し、生検標本、手術標本を観察したうえで、対象となる症例を抽出した。次に、FFPE切片を用いて、T細胞の種類・機能解析を目的とした抗原セットである「A:T細胞パネル」および、好中球や腫瘍関連マクロファージ、骨髄由来抑制細胞などの骨髄由来細胞の種類・機能解析を目的とした抗原セットである「B:骨髄由来細胞パネル」を用いて、多重免疫染色を行った。2枚の薄切切片から、種々の活性化および抑制性免疫細胞の相互作用を包括的に評価できることがこの多重免疫染色の利点である。得られた膨大なデータを計算・統計ソフトを用いて解析した。また、新たに疲弊T細胞のマーカーとなる分子を解析することにしたため、一部設定を変更し条件検討を行った。 遺伝子変異プロファイルについては、解析された患者については、変異遺伝子の種類や腫瘍変異量のデータを収集した。また、末梢血の好中球リンパ球比率についても、電子カルテから情報を収集し、まとめた。以前勤務していた施設の検討では、治療奏効群で好中球リンパ球比率が減少する傾向にあったが、本学の検討では、明らかな相関は現在までは見られていない。PD-1阻害剤から他の薬剤への変更や、PD-1阻害剤投与前に使用されていた薬剤に起因している可能性があり、詳細を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
条件設定を再度行ったが、多重免疫染色は染める順番、組み合わせるOpalの色を1つ変えるだけで結果に悪影響がでることがあり、慎重に条件検討を行っているため。
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今後の研究の推進方策 |
条件設定のやり直しはほぼ終わったため、多重免疫染色による免疫プロファイル解析を進める。遺伝子変異プロファイルのデータ収集も並行して行う予定である。
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