研究課題/領域番号 |
22K17014
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
井手口 英隆 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (80779421)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 歯周炎 / 補体 / Th17 / Th17細胞 / HMGB1 / 補体経路 |
研究開始時の研究の概要 |
補体と歯周病の関連は,古くから多くの研究が継続して行われている。米国では,補体を標的とした分子標的薬の臨床治験が行われ, 創薬イノベーションとしての発展性も期待されている。 TH17細胞は,Th細胞の炎症性サブセットの一つであり,炎症性疾患における新たな標的分子として注目が集まっている。しかし,歯周病の病態におけるTH17細胞の詳細な役割はまだ解明されておらず,補体との関連について研究された報告もほとんどない。 本研究の成果から,歯周病における補体とTH17細胞のクロストークを詳細に解明することができれば,歯周病の病態解明だけでなく,様々な炎症性疾患の治療に対して新規のコンセプトを導く一助になる。
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研究成果の概要 |
本研究は、歯周炎組織において活性化した補体経路がどのようなメカニズムでTh17細胞の発生に影響を及ぼすか、その詳細を明らかにすることを目的とした。そして、歯周炎組織における補体経路の活性化からTh17細胞の発生に至る一連の免疫学的連鎖反応を解析した。その結果、歯周炎組織において活性化した補体分解産物であるC3は、歯肉上皮に得意的に結合することで、IL-6の分泌を促進し、歯周炎組織局所におけるTh17細胞の局在を増加させることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究から、歯周病において補体がTh17細胞の分化に及ぼす直接的なメカニズムの一部が明らかになった。これまでに補体とTh17細胞のそれぞれ単独では、様々な学術的背景をもとに歯周病の病態における関与が十分に示されているものの、それぞれの相関について着目した研究はほとんどない。すなわち、本研究の成果は、補体経路を標的とした分子標的薬の歯周治療への臨床応用を円滑に実現する一助となる。さらに、歯周炎のみならず、様々な炎症性免疫疾患の病態を理解するための知見が得られる可能性がある。
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