研究課題/領域番号 |
22K17017
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田尻 祐大 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (30820659)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 腫瘍実質-間質連関 / 口腔癌 / p63 / MAPK / 扁平上皮癌 / TRP / TRPV4 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの研究で、腫瘍実質と間質が相互作用「腫瘍実質-間質連関」しながら腫瘍形成を促進することを明らかにしており、その一つにTRPV4シグナルの異常活性化が挙げられるが、詳細な分子基盤は不明である。 本研究では、口腔扁平上皮癌における、TRPV4シグナルの活性化メカニズム(発現制御機構と活性化ドメイン)を解明し、機能抑制メカニズムを明らかにすることで、TRPV4を標的とした抗腫瘍効果について解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、口腔扁平上皮癌(OSCC)において、TRPV4シグナルが細胞外環境により異常活性化するメカニズムの解明を目的とした。構築したYAPシグナルを活性化する実験系にて、TRPV4シグナルはYAPシグナルによる発現制御をうけていなかった。一方、OSCC病理標本における遺伝子発現について、DNAマイクロアレイ法を用いて網羅的に検討した。その結果、発癌過程において、p63の発現が上昇し、浸潤癌においてMAPKが活性化することが示唆された。また、OSCC細胞株を用いた研究から新規癌遺伝子ARL4Cの発現はp63とMEK/ERK-MAPKにより協調的に発現制御されていることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
悪性腫瘍では遺伝子異常が生じるため、細胞が自律的に増殖する。本邦では、病変組織を用いて遺伝子異常を明らかにすることで、患者一人一人に適した治療法を提供できるがんゲノム医療の普及が進められている。一方、口腔癌の90%以上を占める OSCCにおける特異的な遺伝子異常が少ないため、異常活性化した細胞内シグナルが発癌に寄与すると予想される。本研究では、OSCC病理標本(非腫瘍部、上皮性異形成/上皮内癌、浸潤癌を含む)における遺伝子発現について、網羅的に検討した。本研究結果によってOSCCの発癌過程において活性化するシグナルが明らかとなった。この学術意義は高く、治療への応用の足掛かりとなる。
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