研究課題/領域番号 |
22K17018
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大谷 昇平 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (90823336)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 骨肉腫 / Ggct / p53 / Myc |
研究開始時の研究の概要 |
骨肉腫は小児をはじめ若年層に発症が認められる悪性腫瘍であるが、「希少がん」ゆえに、国内外で骨肉腫の研究者人口は少なく、その発症機序が分子レベルでほとんど明らかになっていない。骨肉腫の治療に有効な創薬ターゲットを同定することが必須である。 そこで本研究は、新規がん関連因子Ggctの骨肉腫発症における役割を、独自に作成したGgct遺伝子改変マウスを用いて、生体レベルで検討することを目的とした。Ggctが骨肉腫において腫瘍促進因子として機能するのであれば、効果的な骨肉腫治療の実現を目指して、Ggctをターゲットにした創薬、すなわち、Ggctの特異的機能阻害剤の開発が重要になるだろう。
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研究成果の概要 |
Ggctはγグルタミル回路で機能する新規酵素タンパク質である。Ggctは骨肉腫で高発現を認め、Ggct抑制は骨肉腫細胞の増殖、遊走および浸潤能を抑制させる。そこで本研究では、ヒト骨肉腫のマウスモデルである骨芽細胞特異的p53遺伝子欠損マウス(Sp7Cre; p53f/fマウス;以下OSマウス)を利用し、骨肉腫発症におけるGgctの役割をマウス生体レベルで検討した。その結果、Ggct遺伝子欠損OSマウス(OS;Ggct-/- or Ggct-/+)はOSマウスと比べ、骨肉腫発症抑制および寿命延長を認めた。また、GgctがMycの標的であることを見出し、Ggct遺伝子上のMyc結合部位を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨肉腫の好発年齢は10代で、治療法は未だに外科的切除が第一選択であるため、若くして ADL/QOL低下をもたらす。しかし、その発症分子機序はほとんど解明されていない。そこで本研究は、新規がん関連因子Ggctの骨肉腫発症における役割の解明を目的とした。その結果、骨肉腫発症において「がん遺伝子」MycがGgctを直接ターゲットにしており、Ggct欠損OSマウスは骨肉腫発症抑制および寿命の延長をもたらすことが明らかになった。本研究成果は、Ggctが骨肉腫治療に有効な創薬ターゲットとなる可能性を示唆しており、その機能解析を通して治療薬の開発へとつながる「橋渡しとなる知見」を提供するものである。
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