研究課題/領域番号 |
22K17033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
佐々木 直樹 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (40848305)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 歯周病 / 妊娠 / 肥満 / 代謝異常 / 口腔内dysbiosis / 糖・脂質代謝 / 早産・低体重児出産 / RNA Sequencing / 細菌叢解析 |
研究開始時の研究の概要 |
歯周病による口腔内dysbiosisは2型糖尿病や肥満と相互に関連することが報告されており、口腔内dysbiosisが代謝に影響を及ぼす可能性が示唆されている。また、歯周病が早産・低体重児出産のリスクとなることは明らかになっているが、歯周病が妊娠中の母親の糖・脂質代謝にどのように影響するかをメカニズムまで評価した研究はない。本研究では、ヒトおよび低体重仔出産モデルマウスを用いて、口腔内dysbiosisが、母体の糖・脂質代謝、また出産結果に影響するかどうかを明らかにする。口腔内・腸内の細菌叢解析および糖・脂質代謝に重要な臓器である肝臓・骨格筋・脂肪に注目した各臓器での代謝異常を評価する。
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研究実績の概要 |
精巧な口腔内細菌叢のバランスが崩れる「口腔内dysbiosis」が起こることは、口腔上皮バリアの破綻を意味し、全身の恒常性の破綻を引き起こすこととなる。歯周病による口腔内dysbiosisは2型糖尿病や肥満と相互に関連することが報告されており、口腔内dysbiosisが代謝に影響を及ぼす可能性が示唆されている。また、歯周病が早産・低体重児出産のリスクとなることは明らかになっているが、歯周病が妊娠中の母親の糖・脂質代謝にどのように影響するか、また、その子どもの成長発育にどのように影響するかを、メカニズムまで評価した研究はない。本研究では、ヒトおよび低体重仔出産モデルマウスを用いて、口腔内dysbiosisが、母体の糖・脂質代謝、また出産結果、成長発育に影響するかどうかを明らかにする。口腔内・腸内の細菌叢解析および糖・脂質代謝に重要な臓器である肝臓・骨格筋・脂肪に注目した各臓器での代謝異常を評価し、口腔内dysbiosisを改善することが母体およびその子の健康の基盤となる、というエビデンスを構築する。 東京医科歯科大学病院に通院中の妊婦の唾液、および出産後に母乳、子どもの便を採取し、細菌叢解析を行った。切迫早産の妊婦では口腔内の炎症が強いこと、歯周病を有する妊婦と有さない妊婦では口腔内細菌叢が異なることを明らかにした。動物モデルでは、Porphyromonas gingivalisを用いた低体重仔出産モデルマウスを作出し、その仔の成長・発育を評価し、低体重で生まれるものの、高脂肪負荷での飼育での成長後は耐糖能異常を呈することを明らかにした。特に、成長後に肝臓において遺伝子発現の変化が認められることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体の収集は終了したが、臨床検体の細菌叢解析が全て終わってはいない状況である。また、動物モデルに関しても、インスリン抵抗性の評価などが終了していないため。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究では、全ての検体の細菌叢解析を終了させる。動物モデルの研究では、臓器でのインスリン抵抗性の評価、また、胎児期より変化が起きているかどうかを明らかにするためのメチル化解析を行う。
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