研究課題/領域番号 |
22K17043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山下 恭徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10782568)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 糖尿病 / 歯周炎 / 歯周炎モデル / 慢性歯周炎 / 補体 / LPS歯肉溝滴下歯周炎モデル |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病と歯周病が相互に影響を与えるメカニズムには不明な点が多い。LPS(グラム陰性桿菌の菌体成分)歯肉溝滴下歯周炎モデルは、腸管等への細菌感染や歯周組織の損傷を伴うことなく、補体の活性化を介して歯周炎が発症する。糖尿病患者では補体が活性化して多臓器の組織障害に関与していることが示唆されているが、自然発症糖尿病モデルで歯周炎モデルの病態が悪化するかは不明である。本研究では、『糖尿病自然発症モデルにおいてLPS歯肉溝滴下歯周炎モデルの病態、歯周炎発症後に糖尿病の病態は悪化するのか』を検討する。歯周病と糖尿病の増悪因子として補体が関与が明らかとなれば、新たな治療法、創薬への応用も期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究では、『糖尿病自然発症モデルにおいてLPS歯肉溝滴下歯周炎モデルの病態、歯周炎発症後に糖尿病の病態は悪化するのか』を検討している。 【実験 LPS歯肉溝滴下歯周炎モデルにおいて糖尿病発症が歯周病に及ぼす影響】Wistar系ラット雄(WT, 9週齢)と、Wistar fattyラット雄(9週齢)に麻酔下で上顎右側第一臼歯口蓋側歯肉溝にマイクロピペットを用いてA a Y4由来LPS (50 μg/μl)を懸濁したPBS を滴下投与する。LPS懸濁液 合計18 μl(3 μl×6 回)を1日あたり30 分間滴下し、各滴下の間隔は5分間とする。コントロール(WT)群には同様の方法でPBSを歯肉溝に滴下する。5日目および10日目にマイクロCT撮影を行い、歯槽骨吸収量を測定する。10 回目の滴下の1時間後に屠殺する。LPSの歯肉溝滴下のみで糖尿病ラットに歯周炎モデルが作製できない場合には、従来の方法通り、LPS歯肉溝滴下開始前にLPS感作を行う。Complete Freund’s adjuvant で乳化したA.actinomycetemcomitans LPS 150 μg 含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与し、さらに28日後にIncomplete Freund’s adjuvant で乳化したLPS 150 μgを含有PBS 0.3 mlを腹腔内投与する。屠殺直後に右側上顎骨を摘出し、4%パラホルムアルデヒドを含むリン酸緩衝液(pH7.4)にて4 °Cで10 時間固定する。10%EDTA-2Na(pH7.4) にて4 °Cで3 週間脱灰したのち、AMeX 法にてパラフィン包埋し、上顎右側第一臼歯の頬舌的な連続切片(厚さ4 μm)を作製する。現在、病理組織学的観察のため、切片をヘマトキシリン・エオジン染色(H.E.染色)し、組織学的計測を行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
現在、モデル製作、確認が終わり、組織学的観察を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、作成した組織標本で補体活性化検出のために、抗 C5b-9抗体で免疫組織化学染色を行い、その局在部位を確認する。
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