研究課題/領域番号 |
22K17047
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
柴崎 翔 日本大学, 歯学部, 助教 (70822633)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フッ化スズ / 根面齲蝕 / 齲蝕予防 / 超音波透過法 / 固体核磁気共鳴法 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化社会が進行する本邦において,喫緊の問題として根面齲蝕への対応が挙げられる。フッ化スズは,抗齲蝕や象牙質知覚過敏抑制などの作用がある一方で,加水分解や歯面着色などの理由から,歯磨剤への添加は困難とされてきた。近年,技術革新により象牙質知覚過敏症を対象としてフッ化スズ含有歯磨剤の応用が欧米を中心に行われている。そこで本研究ではフッ化スズ含有歯磨剤の根面齲蝕予防への応用を目的として,根面齲蝕モデルにフッ化スズ濃度の異なる歯磨剤を応用し,機械的性質変化を超音波透過法を用いて,化学的組成変化を固体核磁気共鳴法を用いて評価することで,根面齲蝕予防に至適なフッ化スズ濃度を検討する。
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研究成果の概要 |
供試した歯磨剤は,フッ化スズ含有歯磨剤(ST)およびフッ化ナトリウム含有歯磨剤(SO)を用いた。また精製水でブラッシングを行なったものを,コントロールとした。ブラッシング期間の違いにかかわらず,いずれのブラッシング条件においても試片を伝搬する音速に有意差は認められなかった。一方,KHN試験の結果では,いずれのブラッシング条件においてもブラッシング期間の延長に伴ってヌープ硬さは低下したものの,試験終了時ではSTは他のブラッシング条件に比較して有意に高い値を示した。本実験の結果から,フッ化スズ含有歯磨剤の有する根面齲蝕予防効果は,フッ化ナトリウム含有歯磨剤と同等以上の効果を示す可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会の進行に伴った高齢者の残存歯数の増加によって,根面齲蝕が増加傾向にある。根面齲蝕はその性質上,修復操作が困難となる症例も多い。また根面齲蝕を有する高齢者は通院を伴う歯科医院での治療が困難となる場合も多く,セルフケアを主体とした根面齲蝕予防が重要と考えられる。特に,フッ化スズが有する抗齲蝕性,抗炎症作用,象牙質知覚過敏抑制,抗菌性,口臭および酸蝕抑制効果は特筆すべきものであり,フッ化スズ含有歯磨剤を根面齲蝕予防に応用できれば歯科領域への貢献は大であると考えられる。
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