研究課題/領域番号 |
22K17053
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
日吉 巧 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80911437)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 歯周炎 / エラスターゼ / プロテオーム解析 / 歯周炎マウス / 骨代謝 / 好中球 / 歯周炎マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
歯周炎患者の組織中では,好中球が産生するタンパク質分解酵素エラスターゼが増加し,歯周炎の重症化を誘導することが報告されている.本研究では,歯周炎マウスの歯肉中に存在する数千種に及ぶタンパク質を網羅的に解析し,エラスターゼによる歯周炎の重症化に関与するタンパク質を選出する.続いて,同タンパク質が歯周炎の病態形成に関わる機序を総合的に解明することで,新規タンパク質を標的としたこれまでにない歯周炎治療薬の開発を目指す.
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研究実績の概要 |
好中球に内在するプロテアーゼの一つであるエラスターゼは,宿主分子の分解作用を有し,歯周炎の重症化を誘導することが報告されている.しかし,そのメカニズムはいまだ不明なままである.本研究では,エラスターゼが歯周炎を重症化させるメカニズムを,歯周炎マウスを用いたプロテオーム解析によって詳細に明らかにすることを目的とした.はじめに,歯牙を結紮することによって歯周炎を誘導する歯周炎マウスを作成し,健常群との比較検討を行った.その結果,歯周炎マウスでは有意な骨吸収および歯肉組織中のエラスターゼ活性上昇を認めた.また,エラスターゼ阻害剤を歯肉投与したマウスにおいては,PBS投与群と比較して,炎症レベル及び歯槽骨吸収が抑制されることが明らかとなった.次に,【健常マウス】,【歯周炎マウス】,【エラスターゼ阻害剤を投与した歯周炎マウス】の三群の歯肉サンプルを回収し,iTRAQ/TMT試薬を用いた相対定量プロテオーム解析を実施した.その結果,数万種類のペプチドおよび数千種類のタンパク質を検出が検出された.また,各群間において,免疫系や骨代謝,細菌関連分子など,歯周炎に係わる多くの分子の発現量の変化を認めた.今後は,同定した各分子の特性を鑑み,エラスターゼが歯周炎の重症化を引き起こす機序に深く関与すると考えられる分子を選定する.その後,分子生物学的,免疫学的および細菌学的解析をin vitroにて実施し,歯周炎病態形成に関わるメカニズムを総合的に解析する.
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