研究課題/領域番号 |
22K17056
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高島 葵 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70910793)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 糖化 / 石灰化 / 血流障害 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性糖尿病における口腔内の原因不明の疼痛に関する研究は非常に少ない。 その発生機序は明らかになっておらず臨床現場でも診断に苦慮する場面が散見される。 本研究は、先行研究にて観察された糖尿病モデルラット歯髄内の糖化ストレス、血流障害に起因した低酸素ストレス、炎症反応、異所性石灰化に着目し、2型糖尿病モデルラットを用い歯髄内の微小血管の評価や炎症・疼痛指標を調べ、糖尿病に関連する原因不明の歯痛の発生機序の解明を目的とし、さらに糖化産物の合成阻害剤の投与により糖化ストレスを軽減し歯髄内血流障害の改善や、炎症等発生の抑制にアプローチすることで糖尿病に起因する歯髄炎発生の予防法の策定を目的としたものである。
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研究実績の概要 |
本研究は糖尿病による糖化が血管および歯髄に与える影響や組織内石灰化の発生メカニズムの詳細を調べ、さらに糖化産物の生成を抑制する物質を投与することで組織への糖化最終産物(AGEs)沈着に起因した病的状態を抑制する手法を探索する研究計画を立てている。 申請者が2022年8月から産休・育休を取得したため2023年5月まで研究を中断している状態である。2022年度は、糖尿病歯髄における歯髄内の糖化ストレス、低酸素ストレス、炎症反応についての組織学的評価を行うための予備実験として、使用する抗体の確認等を行った。 研究再開後は、研究計画に基づき歯髄内における炎症の有無については歯髄内のHE染色、免疫組織化学染色による組織学的評価を行い、疼痛の評価を行った上で、AGEsが糖尿病歯髄に与える影響を明らかにしたい。また糖尿病性歯痛の原因のひとつと考えられるAGEsに対し、AGEs阻害剤を用いた歯髄内血流の変化と血管内での糖化産物沈着様相の比較を免疫組織化学染色・分析化学的評価、μCTおよび走査型電子顕微鏡による評価を行い血管の脆弱化を抑え血管障害発生の評価を行い予防的緩和法を検討する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
申請者が、2022年8月から2023年5月まで産前産後休暇・育児休暇を取得し、研究を中断していたため研究予定が当初の予定より約1年ほど遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
研究中断前に行った予備実験を元に、当初の研究計画に基づき糖尿病関連歯痛のメカニズムの解明においては、従来用いている2型糖尿病モデルラットの血流状態を微小血管領域まで含めて可視化し、病的な血管障害状態を観察することを最初に行う予定である。その後疼痛評価として疼痛に関与したTRPチャネルの活性化(Wang, Diabetes, 2018)などを指標として、炎症との関わりを探る予定である。これは、糖尿病モデルラットの歯髄内に血管障害に伴う低酸素に関連した炎症の惹起といった器質的変化が認められることから区別が可能であると考えている。歯髄内における炎症の有無については歯髄内のHE染色、免疫組織化学染色による組織学的評価を行い、疼痛の評価を行った上で、AGEsが糖尿病歯髄に与える影響を明らかにしたい。 AGEsが糖尿病歯髄に与える影響の評価は、歯髄内石灰化物、微小血管の評価をCT,走査型電子顕微鏡による構造学的評価にて行い、糖化ストレスや低酸素ストレス、炎症反応については組織学的評価を行う予定である。 さらに、糖尿病性歯痛の原因のひとつと考えられるAGEsに対し、AGEs阻害剤を用いた歯髄内血流の変化と血管内での糖化産物沈着様相の比較を免疫組織化学染色・分析化学的評価、μCTおよび走査型電子顕微鏡による評価を行い血管の脆弱化を抑え血管障害発生の評価を行い予防的緩和法を検討する計画である
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