研究課題/領域番号 |
22K17064
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
相原 良亮 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60886711)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | M2マクロファージ / フィブリンゲル / 骨再生 / 炎症制御 / 口腔内組織再生 / マクロファージ / 歯根嚢胞 / 骨欠損 |
研究開始時の研究の概要 |
感染・炎症によって拡大した根尖部骨欠損は、その直径がクリティカルサイズ(10 mm)を超えると治療しても瘢痕化しやすいことから、骨再生を誘導する各種細胞の足場となる再生医用材料の応用が注目されてきた。一方で、炎症制御が再生誘導に不可欠であることが知られており、局所の状態を炎症・免疫応答が亢進しているステージから組織再生可能なステージへと移行させなければ再生医用材料を欠損部局所に埋入しても組織は再生されない。本研究の最終目標は、再生医用材料を適確に機能させるため、M2マクロファージを誘導するフィブリンゲルを用いて炎症優位な状態から組織再生可能な状態に局所環境を転換する方法の確立である。
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研究成果の概要 |
フィブリンゲルを骨欠損部位に埋入することで、創傷部位にM2マクロファージを誘導し、炎症抑制の方向へ働きかけることで骨再生が増進されるということがわかった。またフィブリンゲルには炎症急性期の組織状態、つまりはLPSが組織中に存在している環境でも、M2マクロファージ優位のような炎症抑制の状態へ移行させる機能があるということがわかった。また、象牙芽細胞株とフィブリンゲルを共培養した場合のRNA-seqを行った。その結果、フィブリンゲルと共培養した場合の細胞株と、通常の培養方法では明らかに発現する遺伝子が異なっており、特に炎症や分化などの面で影響を及ぼす可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
患者の血液からフィブリンゲルを作成して再生治療に用いた症例が報告されているが、治療効果が不安定なため現状では再生医用材料としては不十分である。フィブリンゲルによる安定した効果が得られない理由として、組織創傷部位へのフィブリンゲルの作用機序が十分に解析されていないことが挙げられる。しかし我々の研究結果により、vitroで作成したフィブリンゲルでも強いM2マクロファージ誘導能があり、それによって骨再生が増強されるということが示唆された。この結果はフィブリンゲルの再生医用材料への応用においても有意義であるが、フィブリンの生体機能の解明という点でも学術的意義がある。
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