研究課題/領域番号 |
22K17070
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
泉田 一賢 東北大学, 大学病院, 非常勤講師 (70803617)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | PJD法 / フッ素化アパタイト / 周術期口腔管理 / 放射線性齲蝕 / PJD / HA / FHA |
研究開始時の研究の概要 |
HA前駆体である非晶質リン酸カルシウム(ACP)からHAへの転化の際にF-イオンを添加させFHA粒子を合成する.FHA粒子の物理化学的特性を評価し,粒子合成に必要な最適F-イオン供給濃度を決定する.
|
研究実績の概要 |
本研究は、常温常圧下で歯の主成分であるハイドロキシアパタイトを接着性材料を介することなく直接、歯の表面に成膜するPJD(パウダージェットデポジション)法を応用したものである。ハイドロキシアパタイト自体には歯の再石灰化同様に歯質の強化を図ることはできるものの、齲蝕予防効果は期待できない。そこでハイドロキシアパタイト粒子合成過程でフッ化物イオンを導入することで齲蝕予防効果を発揮できるフッ素化アパタイト(FHA)粒子の合成に成功した。 周術期の口腔管理において、がん治療として放射線治療を実施されている患者が多く見受けられる。放射線治療の副作用として放射線性齲蝕がある。これは歯および歯根面に多発する齲蝕であり、領域が広く、一般的な修復処置では治療が困難な症例が多い。修復処置に用いられるコンポジットレジンはボンディング材という接着性材料を介して充填されるが、放射線性齲蝕に対しては歯の内部構造の変化により十分な接着力が期待できず、修復物の剥離、辺縁漏洩が生じ、結果的には齲蝕の再発がみられる。そこで、PJD法を応用して放射線性齲蝕歯に対してFHA成膜を行うことで、齲蝕予防効果も期待できる革新的な放射線性齲蝕治療法になりえると考えた。 放射線性齲蝕をシミュレートするために、文献および当院放射線技師の協力のもとヒト抜去歯に対して25Gyの照射を行うことで、臨床的ながん放射線治療を模倣した被ばく量であることを検証した。本研究でin Vitroで使用する放射線性齲蝕を有する抜去歯の生成に成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
FHA粒子の合成はすでに確立されていること、さらに、放射線性齲蝕を模倣したヒト抜去歯の生成が完了できたことから、本研究はおおむね順調に進展しているものと判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
放射線性齲蝕を模倣したヒト抜去歯に対してFHA成膜を行い、成膜面の形態学的評価、生化学的評価を行い、成膜性に対して客観的評価を行う。
|