研究課題/領域番号 |
22K17089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
駒津 匡二 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (60910065)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インプラント周囲炎 / 細菌叢解析 / 16S rRNA gene / バイオインフォマティクス / メタゲノム / インプラント周囲疾患 / Dysbiosis / 細菌叢 / メタゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
歯科インプラント周囲の細菌感染によって発症する「インプラント周囲炎」の罹患率は高く、重症化するとインプラントの脱落を招き、審美性・咀嚼不良の問題を引き起こす。インプラント周囲炎は口腔内細菌叢のバランス異常(ディスバイオーシス)に起因して発症することが知られている。本研究ではディスバイオーシスの観点に基づき、網羅的な細菌叢解析によりインプラント周囲炎細菌叢タイプ分類の確立を目指す。そしてマルチオミクス解析により疾患発症の予測や診断に利用出来るバイオマーカーの特定を試みる。本研究は臨床応用可能なインプラント周囲炎の新規治療戦略の構築を目的とし、最終的には口腔から国民の健康寿命の延伸を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、インプラント周囲炎の治療効果や経過に影響を与える細菌叢パターンを特定することを目的としている。本年度は、異なる疾患フェーズの患者を対象に解析を進めた。これは、疾患の進行状況による細菌叢の変化を明らかにし、治療戦略に向けた特定の細菌種を見つける可能性を探るためである。採取されたプラークから細菌由来のDNAを抽出し、次世代シーケンサーを用いた塩基配列情報の取得および16S rRNA遺伝子解析を実施した。健常なインプラント、インプラント粘膜炎、インプラント周囲炎における細菌叢の特徴を調査した。 51名の患者から75個の歯肉縁下プラークを対象にDNA抽出と細菌組成解析を行った結果、インプラント粘膜炎部位およびインプラント周囲炎部位は健常なインプラント部位と有意に異なり、DesulfomicrobiumやSaccharibacteria (TM7)がインプラント周囲疾患の早期診断の指標となる可能性が示唆された。また、Porphyromonas gingivalis、Treponema、Fusobacterium nucleatumなども病的状態に関与していることが確認された。 これまでの結果からインプラント周囲疾患の診断および治療戦略に新たな洞察を提供し、今後の研究および臨床応用に向けた重要な知見を得ることができた。特に、細菌叢の変化が治療戦略にどのように影響するかを理解するための貴重なデータを収集し、今後のインプラント治療の改善に寄与することが期待される。また、次年度以降は、保存されているRNAサンプルを含めた解析を予定しており、より詳細な細菌の機能的役割の解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床サンプルの継続的な確保を進めながら、データ解析を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまでに確保されてきたRNAサンプルのクオリティ評価の実施からシーケンスを行なっていく。
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