研究課題/領域番号 |
22K17098
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57040:口腔再生医学および歯科医用工学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
浅見 洋佑 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (70875749)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インプラント / インプラント周囲炎 / インプラント周囲軟組織 / CXCL2 / ラット / LPS |
研究開始時の研究の概要 |
インプラント治療における合併症の一つとしてインプラント周囲炎が問題となっている。インプラント周囲炎の予防法が確立されれば、ケアが行えない在宅患者のインプラント周囲炎罹患率を減少させることができ、国民の健康に大きく寄与できるものと考える。我々はインプラント周囲軟組織で特異的に発現する遺伝子を特定してきた。その中の一つであるCXCL2は炎症に関与していることがわかっている。CXCL2がインプラント周囲炎において、どのような発現をするかを解明することで、診断への応用に繋がると考え、さらにCXCL2発現を制御することで、防御機構の変化が明らかになり、インプラント周囲炎の予防法の開発へ繋がると考えた。
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研究実績の概要 |
インプラント体の埋入によって口腔粘膜が貫通されることで形成されるインプラント周囲軟 組織は、天然歯の歯周組織と比較して組織学的に脆弱であるため、インプラント周囲炎が生 じやすいとされている。 申請者の研究チームでは網羅的な遺伝子解析法であるマイクロアレイ法を用いて、口腔粘膜組織、歯周組織と比較しインプラント周囲軟組織で特異的に発現する遺伝子を特定している。これらの遺伝子の多くは「炎症」「免疫」に関与しており、特に免疫担当細胞の遊走などに関与するCXCL2はインプラント周囲軟組織に特異的発現する遺伝子であり、ケモカインの一種であるCXCL2がインプラント周囲炎に対してどのような発現変化をするか、また発現制御することによってインプラント周囲炎の予防が可能であるかどうかを明らかにするためにインプラント周囲炎モデルラットの作製を行った。 ラットにインプラントを埋入し、治癒完了後に歯周病のメカニズムにおける重要な病原性因子であるPorphyromonas gingivalis由来のリポポリサッカライドを3日毎滴下し、インプラント周囲炎を惹起させる。周囲炎の評価方法として動物実験用マイクロCTや組織標本にて軟組織および硬組織の炎症反応を確認している。 現在、インプラント周囲炎モデルラットのサンプル数増加のために動物実験をおこなっている。CXCL2がインプラント周囲炎に罹患した際にどのような動態を示すかを明らかにしていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在、リポポリサッカライドによるインプラント周囲炎モデルラットのサンプル数を増やすために動物実験を行っている。並行して組織学的評価を行うための組織採取および薄切、各種染色を行っている。動物実験の特性上もありインプラント周囲炎モデルラットを安定して作製する方法がなかなか確立せず、また研究チームでの他研究に着手していたこともあり、当初の予定よりかなり遅れてしまっている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現在作製しているインプラント周囲炎モデルラットを用いた組織学的評価(HE染色、免疫組織化学染色法)および遺伝子的評価(CXCL2関連遺伝子をターゲットとした定量的RT-PCR法)を行っていく。また、口腔粘膜由来線維芽細胞を用いてCXCL2発現制御法の確立させるためにラット口蓋粘膜由来の線維芽細胞を培養し、薬剤としてrat recombinant CXCL2やCXCL2 blocking peptide、CXCR2アンタゴニストを添加し、CXCL2の発現変化を評価する。薬剤決定後、インプラント周囲炎モデルラットに対しCXCL2の発現制御する薬剤を応用したインプラント周囲炎予防効果の評価を行う。
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