研究課題/領域番号 |
22K17107
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
大川 純平 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10846041)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | レトロネーザルアロマ / 咀嚼 / 嚥下閾 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満は食習慣によって起こる健康問題である。肥満の治療では、早食いの是正や満腹感覚の改善による食事量の減少が行われる。レトロネーザルアロマは、食品の味わいを決定する主要な嗅覚刺激であり、咀嚼中の食品から放出されて鼻腔で感知される香りである。低い嗅覚能力は肥満につながるされ、レトロネーザルアロマによる嗅覚刺激の低下は、肥満と関連すると考えた。また、食品の味わいや嗜好性を変化させることで、早食いや食塊形成を改善できるのではないかと考えた。本研究課題では、咀嚼機能評価用グミゼリーを咀嚼中のレトロネーザルアロマの量を測定するとともに、肥満の有無あるいはBMIや咀嚼能率や咀嚼様相との関連を調査する。
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研究実績の概要 |
肥満は食習慣によって起こる健康問題である。肥満の治療では、早食いの是正や、食品の味わい・満腹感覚の改善による食事の減少が行われる。レトロネーザルアロマは、食品の味わいを決定する主要な嗅覚刺激であり、咀嚼中の食品から放出され鼻腔で感知される香りである。低い嗅覚能力は肥満につながるとされることから、レトロネーザルアロマによる嗅覚刺激の低下は、肥満と関連するのではないかと考えた。また、食品の味わいや嗜好性を変化させることで、早食いや食塊形成を改善できるのではないかと考えた。本研究課題では、レトロネーザルアロマによる咀嚼様相の変化を明らかにし、肥満への影響を調査することを目的としている。 本年度は、対象者を増やし、健常成人および肥満を呈する成人(BMI 25以上)を対象に測定を行った。被験食品には、規格化された咀嚼機能評価用グミゼリー(UHA味覚糖社製)を用い、香料含有量を、0%、50%、100%、150%(100%が通常のグミゼリー)とした。レトロネーザルアロマの測定には、新コスモス電機社製ニオイセンサを用い、咀嚼機能評価用グミゼリーを自由摂取したときの嚥下閾までの咀嚼回数と咀嚼時間およびレトロネーザルアロマ濃度を測定した。また、100%グミゼリーを用いて咀嚼能率を測定した。 その結果、健常成人において香料含有量が増加するに従い、レトロネーザルアロマの濃度も増加し、さらに咀嚼回数および咀嚼時間も延長した。加えて、レトロネーザルアロマ濃度が最大となった時の咀嚼回数が増加したことから、レトロネーザルアロマの動態の変化により嚥下閾が変化する可能性が考えらされた。また、肥満を呈する成人については、健常成人に比べて嚥下閾の咀嚼回数および咀嚼時間が短縮した。 以上より、香料含有量を調整し、レトロネーザルアロマを増加させることで咀嚼時間を延長でき、早食いの改善ができる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、昨年度より対象者を増やして実験を行なった。嗅覚機能に異常の認めない成人と肥満を呈する成人(BMI 25以上)を対象に、レトロネーザルアロマによる咀嚼様相への影響について検討を行った。昨年度と同様に規格化された咀嚼機能評価用グミゼリーと香料を調整した咀嚼機能評価用グミゼリーとの両方を用い、実験を行った。昨年度の結果と同様にグミゼリー中の香料の増加に伴い咀嚼時間が延長したが、さらに咀嚼回数も増加すること結果が得られた。さらに、レトロネーザルアロマ濃度が最大となった時の咀嚼回数が増加しており、レトロネーザルアロマの放出時間が延長することが、咀嚼時間および咀嚼時間の延長につながった可能性があると考えられた。 BMI 25以上の成人については、BMI 25以下の成人に比べて嚥下閾の咀嚼回数および咀嚼時間が短縮した。一方で、肥満を呈する者への測定ついては参加者が少なく、性別による参加者数の違いがあった。したがって、健常成人における実験は達成され、本年度に得られた結果は想定通りのものでたものの、肥満を呈する者について追加実験が必要である。以上より、課題の研究計画に対してやや遅れていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度および本年度の結果から、咀嚼機能およびレトロネーザルアロマによる咀嚼様相の変化を検討した。本年度は参加者数を増やして実験を行なったことで、香料含有量の調整によるレトロネーザルアロマの動態を変化が、咀嚼時間および咀嚼回数を延長できる可能性が示唆された。 また、肥満を呈する者を対象とした実験を行い、結果を健常成人と比較することで、咀嚼時間や咀嚼回数と肥満の関連が示唆できた。次年度は、肥満を呈する者の参加者数を増やして実験を行い、レトロネーザルアロマの変化と咀嚼機能および咀嚼様相とについてのさらなる検討を行う予定である。また、これまでの研究結果を総括し、結果報告・論文執筆を行っていく予定としている。
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