研究課題/領域番号 |
22K17111
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
萬田 陽介 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60794477)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 筋電図 / 舌圧 / 表面筋電図 / 舌 |
研究開始時の研究の概要 |
健康な状態と要介護の中間地点であるフレイルを予防するためには,オーラルフレイルや口腔機能低下症への対策が必要である。これまでに,頸部の表面筋電図を用いることで,非侵襲的かつ簡便に舌の機能を評価する方法を確立した。我が国が抱える命題である健康寿命の延伸を達成するためには,高齢者における舌の筋機能低下の実態を解明することが求められる。本研究課題では,表面筋電図を用いた舌機能評価方法を応用・発展させ,高齢者の舌に生じる筋の生理的変化を評価する客観手法を創製することを目的とする。これは,口腔機能低下の原因となる舌機能低下の本態を解明し,健康寿命延伸の達成するための一助になると考える。
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研究実績の概要 |
本年度は主にプロトコルの確立およびデータ収集を行った。 昨年度得られた予備研究の結果を踏まえ、評価項目は身長、体重、身体活動量、握力・下腿周囲長検査、舌の超音波検査、舌圧、および筋電図と設定した。 身体活動量の評価には、国際標準化身体活動質問票(IPAQ-SF)を使用することとした。握力と下腿周囲長は、骨格筋量と正の相関関係を示すことが報告されているため評価項目に採用した。また、超音波検査におけるエコー強度は筋肉の質を反映し、舌圧と負の相関を示すことが報告されている。本研究では、3.5MHzのコンベックスプローブを使用し、ImageJを用いてエコー強度の解析を行っている。最大舌圧の測定にはJMS舌圧測定器を使用している。筋電図測定では、舌前方部および舌後方部の筋電図電極を貼付し、最大舌圧および最大舌圧の80%に相当する舌圧を発揮・維持する際の舌筋の筋活動を記録している。 これらの評価項目から、舌圧発生時における舌の筋電図検査と,筋肉の構成に関係すると考えられる因子(最大舌圧,BMI,身体活動評価,超音波検査)の関連を調べる予定としている。20名の健常若年者を対象としており、本年度は4名のデータ収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、舌筋の機能と質を多角的に評価するために、質問票、握力・下腿周囲長検査、超音波検査、最大舌圧測定、および筋電図測定を行う予定であった。しかしながら、現在までの進捗状況は当初の計画よりもやや遅れている。 その主な理由は、測定機器の調達と設定に予想以上の時間を要したことである。特に、舌筋の質的評価に用いる超音波診断装置の調達では、高い解像度と portability を両立した超音波診断装置が必要であったが、予算や機器の availability の制約により、適切な機器の選定に時間がかかった。また、超音波診断装置は、舌筋の評価に用いるには特殊な用途であるため、機器の設定や操作方法の習得にも一定の時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
【今後の研究の推進方策】 研究の進捗に遅れが生じていたものの、超音波診断装置と筋電図装置の設定、および測定プロトコルの確立が完了したことで、今後は研究を加速させていくことが可能となった。 まず、被験者のリクルートを積極的に進めていく。若年者と高齢者の両方を対象とするため、大学や地域のコミュニティを通じて幅広く参加者を募ることとする。リクルートの過程では、本研究の意義と安全性について十分に説明し、参加者の理解と協力を得ることに努める。 データ収集においては、確立された測定プロトコルに則って、質問票、握力・下腿周囲長検査、超音波検査、最大舌圧測定、および筋電図測定を効率的に実施していく。各測定項目の精度と再現性を確保するために、測定者間の手技の標準化を図る。また、測定機器のトラブルに備えて、定期的なメンテナンスと校正を行う。 収集されたデータは、随時、専用のデータベースに入力し、管理する。特に、超音波画像や筋電図データについては、適切な解析ソフトウェアを用いて、定量的な評価を行う。解析の過程では、研究チーム内で定期的に進捗状況を共有し、問題点があれば速やかに対処する。 これらの方策を通じて、研究を円滑に推進し、舌筋の機能と質に関する新たな知見を得ることを目指す。得られた結果は、学会発表や論文公表を通じて広く発信し、口腔機能の評価と理解に貢献したいと考えている。
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