研究課題/領域番号 |
22K17114
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横井 美有希 広島大学, 病院(歯), 助教 (90826869)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 腸内細菌 / 歯の欠損 / 認知機能 / 歯の喪失 / アルツハイマー |
研究開始時の研究の概要 |
近年,腸内環境が体の様々な機能や認知症を含む疾患に及ぼす影響について着目されており,腸内細菌叢の改善がAD病態の進行を抑制することが明らかとなった.このことから,申請者は歯の喪失が認知機能低下を引き起こすメカニズムの一端として,咀嚼機能低下による腸内細菌叢に変化が起きているのではと着想した.本研究では,歯の喪失により認知機能が低下したマウスの腸内細菌叢を調査することで,歯の喪失による認知機能低下と腸内細菌の関連を明らかにすることを目的としている.
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研究実績の概要 |
申請者は、歯の喪失がアルツハイマー病(AD)など認知機能低下の進行に関わることに着目し、動物実験において、歯の喪失が認知機能低下を引き起こすことを報告してきた。これまでは、歯の喪失により脳内のBDNFの発現およびタイトジャンクションに影響を与えることが明らかとなったが、メカニズムに関しては不明点が多い。近年、腸内細菌とAD 病態との関連について報告が散見されており、腸内細菌叢の変化と脳機能をはじめとした全身状態との関連が示唆されていることに着目し、本研究では腸内細菌からの探索を行った。 方法は、実験的に抜歯したマウスと偽手術を行ったマウスの2群(3か月齢で抜歯、9か月齢でサンプル採取)に対して、行動実験(Barnesテスト)を行い、マウス糞便を採取し、細菌叢(16sRNA)解析を行った。Barnes テストの結果、ゴールへたどり着く時間(調査間)は実験群で長くなる傾向が見られた。また、腸内細菌叢の解析結果では、α多様性には有意差を認めなかったものの、β多様性に有意差を認めた。菌種の群間比較の結果、実験群ではプリン代謝経路を持つ Turicibacter 属や RF39 などを特異的に認められ、対照群ではFaecalibacterium 属などの腸内常在菌を認めた。 本研究の結果から実験的な歯の喪失により認知機能に明らかな差は認められなかったものの、代謝機能に関与する腸内細菌叢の変化を認めた。実験群で代謝機能に関連する菌種を特異的に認めたことから、歯の喪失が腸内での代謝機能を変化させていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来の計画では、2023年度で終了予定であったが、研究解析および論文作成に時間がかかったため延長申請を行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
サンプル採取および解析は概ね終了しているため、得られたデータを学会および論文発表を行う。
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