研究課題/領域番号 |
22K17127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
勝田 悠介 東北大学, 大学病院, 助教 (70781277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | CAD/CAM冠 / 脱離 |
研究開始時の研究の概要 |
CAD/CAM冠は装着後早期の脱離の問題が取りざたされ、申請者らは接着破壊の要因として冠および支台歯の変形によるセメント界面の疲労があることを示した。このことはCAD/CAM冠のトラブルを防ぐにあたり、変形の挙動をより詳細に把握することが重要である可能性を示している。本研究では形状の異なる支台歯やクラウンによる荷重時の変形量の違いを実測し、形態からクラウンのひずみ量の予測をすることを目的としている。また、この目的達成のためには、AIによる機械学習の技術を用いて、より精度の高い予測方法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
近年保険収載された小臼歯および大臼歯部CAD/CAMコンポジットレジン冠は従来の金属冠の変形挙動を評価し、冠の変形の程度が予後に与える影響を明らかにすることを目的としている。臨床では支台歯の材質、セメントの種類などが異なり、形態的な観点からはクラウン咬合の厚み、軸面厚みなどがクラウンの変形挙動に関与してくると考えている。本研究では集積した臨床データを、AIを用いて統合することによりどのような条件でクラウンの変形が生じ、トラブルの発生につながるのかを試みる。 ひずみゲージによる単純試料の変形についてデータを解析した。支台歯の種類とセメントの種類によってひずみの影響を評価したが、試料の変形を検知しているものの、セメント材料と支台歯材料(金属支台とコンポジットレジン支台)においてクラウン材料の変形の程度に差を認めなかったため、ひずみゲージの貼付の仕方を探している。一方で非接触レーザー変位計による荷重時の試料の変形を計測することを試みる予定である。 試料の変形には弾性係数が関係する。接着性レジンセメントについてJIST6611に準じ3点曲げ試験用の棒状試料を作製し、基礎物性の評価を行った。実験に用意した各種レジンセメントについて重合条件をデュアルキュアさせた群と光照射せず化学重合のみとした群で弾性係数を比較したところ、4.6~6.9 GPaの範囲であった。化学重合とデュアルキュアでは製品ごとに特徴が異なり、差を生じないものと有意に重合方法によって差を生じたものがあった。熱分析による重合反応熱を評価したところ、光照射による反応熱が後者の製品の反応熱が大きかったため、光照射に対する反応性が異なる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ひずみゲージを用いた試料の変形に関して、試料ごとの差を検出しきれず、想定していた方法とは別の方法を探索しており荷重負荷時の支台歯変形に関しての評価が遅延している。代替手段としてレーザー変位計による支台歯の変形の評価を検討しているが、まだ妥当性の評価ができていない。 AIによる評価について研究協力者との連携が不足しており、準備中である。 材料物性評価については進捗しており、予定していた以外にも重合条件の違いによる影響も評価できている。
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今後の研究の推進方策 |
材料物性の評価を進めながら、CAD解析ソフトを用いた支台歯データの解析を行う。 患者カルテからトラブルが発生したクラウンのリストを作成し、支台歯形態のCADデータを収集する。CADソフトによる軸面高さ、対合歯クリアランスなどを計測し統計処理をかける。また研究協力している東京工業大学とともに画像データをもとにAIを用いてトラブル発生の要因を解析する。
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