研究課題/領域番号 |
22K17129
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
波多野 恵太 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (80910083)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | S-PRGフィラー / 義歯安定材 / Candida albicans / SAPファミリー / リパーゼ遺伝子 / 高齢者歯科 / イオン徐放 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は,患者の口腔内環境の改善を見込むことが可能なバイオアクティブ材料に着目し,バイオアクティブ材料を含有した義歯安定材に関する研究を進めてきた.surface pre-reacted glassionomer(S-PRG)フィラーを義歯安定材に添加することにより,義歯安定材の抗菌効果を高めることが可能となった.本研究では,S-PRGフィラー含有義歯安定材が口腔内微生物の遺伝子や安全性評価の一環として体細胞に与える影響について調査し,その抗菌効果の作用機序について明らかにすることで,義歯安定材としての安全性と臨床応用のための最適条件の検討を目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究では、S-PRGフィラー含有義歯安定材の義歯安定材としての安全性を確認し、臨床応用のための最適条件を示すことを目的とする。2023年度は、実験1-2として、S-PRGフィラー含有義歯安定材抽出液のCandida albicansの①SAPファミリーと②リパーゼ遺伝子への影響を評価した。 ①について、S-PRGフィラーに含まれるイオンを抽出して128倍、64倍、32倍、16倍に希釈した濾液(ELIS)と5%ウシ胎児血清(FCS)とを接種させた寒天培地にCandida albicans(ATCC18804)を接種させ、37℃で18時間培養した後に、回収したC. albicansの上清の吸光度を測定することにより、各濃度のELISがC. albicansのSAP活性に与える影響を評価した。本実験の結果、SAP活性の濃度依存的な低下は、1:128から1:16の希釈で認めた。このことは、SAP活性の阻害が、S-PRGフィラー溶出液によるC. albicansの潜在的な阻害に寄与している可能性を示唆している。本実験で得られた研究成果については、2024年3月に広州で行われたthe 8th Biennial Joint Congress of JPS-CPS-KAPにて報告した。 ②について、S-PRGフィラーを5wt%、7.5wt%、10wt%含有する義歯安定材を調製し、それぞれに対し、OD=5.0のC. albicans (ATCC18804)の菌液を接種させて3時間好気培養し、回収した菌液のRNA量を測定した。その後、RNAをcDNAに変換し、PCR測定を行い、DNA量を算出した。現在、結果の解析を進めている。本実験で得られた研究成果については、関連国際学会で報告予定である。また、①、②それぞれの結果を英語論文にまとめて国際学術雑誌に投稿する準備を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は、実験1-2として、S-PRGフィラー含有義歯安定材抽出液のCandida albicansの①SAPファミリーと②リパーゼ遺伝子への影響を評価した。②の実験については解析途中であり、2024年度に引き続き解析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、S-PRGフィラー含有義歯安定材の生体安全性を評価することを目的とし、義歯安定材抽出液を加えて作製した培地上に、ヒト歯肉上皮細胞を播種、各培地の吸光度を測定し、細胞濃度を算出する予定である。
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