研究課題/領域番号 |
22K17140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡崎 ひとみ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (90846156)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 義歯安定剤 / キトサン / ラクトフェリン / 粘度 / 動的粘弾性 / 口腔湿潤剤 / 接合力 / pH |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、クリームタイプ義歯安定剤に抗菌性と保湿性を付与する目的でキトサンとラクトフェリンを加え、義歯性口内炎の原因となる真菌に対する抗真菌活性の測定と、義歯安定剤の要件として必須である水中浸漬時の経時的な接合力の変化を測定を行う。さらに水分保持能力に関連する初期粘度の測定を行い、患者の使用感と咀嚼能力および抗菌性について臨床試験を行う。本剤の組成と経時的接合力、動的粘弾性および抗菌効果との関連性を解明し、最終的にキトサンとラクトフェリンを含有する抗菌性・保湿性に優れた義歯安定剤の新規開発を目指す。
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研究実績の概要 |
義歯安定剤が現状抱える問題点として、口腔乾燥症に対する適応が確立していない点と口腔内が不潔になる点が挙げられる。本研究では、義歯安定剤にキトサンとラクトフェリンを加え、抗真菌性・保湿性に優れた義歯安定剤の新規開発を目指す。その第一段階として、本年度は市販クリームタイプ義歯安定剤と口腔湿潤剤の物性評価を行った。市販品のクリームタイプ義歯安定剤5種類と口腔湿潤剤2種類を用い、レオロジー特性(粘度、動的粘弾性)、義歯床への接合力、pHを評価した。 23℃においては「タフグリップクリームa」、37℃においては「ピタッと快適ジェル」が最も粘度が高い結果となった。また23℃よりも37℃で粘度が低くなる傾向があった。1Hzにおける貯蔵弾性率は、23℃・37℃ともに「新ポリグリップSa」が最も高く、「オーラルアクアジェル」が最も低い結果となった。損失弾性率は23℃、37℃ともに「新ポリグリップSa」が最も高く、「バイオティーン」が最も低い結果となった。損失正接は23℃、37℃ともに「コレクトクリームⅢ」が最も高く、「バイオティーン」が最も低い結果となった。「コレクトクリームⅢ」は他の材料に比べ、弾性要素よりも粘性要素が多い材料といえる。接合力とpHに関して、7製品全てにおいてISO規格の範囲内にあることが確認できた。 材料間でレオロジー特性に差が認められたが、特に粘度で顕著であった。今回の結果を踏まえ、次年度以降は組成を変化させた新規義歯安定剤を製作し、物性の測定を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
市販義歯安定剤の物性測定が終了し、新規義歯安定剤の組成決定へ向けて研究を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
義歯安定剤の基本的組成にキトサンとラクトフェリンを加え、義歯性口内炎の原因となる真菌に対する抗真菌活性の測定と、義歯安定剤の要件として必須である水中浸漬時の経時的な接合力の変化を測定を行う。さらに水分保持能力に関連する初期粘度の測定を行い、患者の使用感と咀嚼能力および抗菌性について臨床試験を行う。本剤の組成と経時的接合力、動的粘弾性および抗菌効果との関連性を解明する。
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