研究課題/領域番号 |
22K17158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
植月 亮 広島大学, 病院(歯), 助教 (80806125)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 口腔癌 / EMT / 癌幹細胞特性 |
研究開始時の研究の概要 |
癌の局所浸潤に大きく関与するものとして、上皮間葉転換(EMT)が知られている。一方、癌の進展に関わるもう一つの因子として、癌幹細胞仮説が報告されている。癌細胞はEMTを利用して局所浸潤し、癌細胞特性を用いて転移巣を形成するため、癌の進展過程において、これらEMTと癌幹細胞仮説は重なり合うと考えられる。本研究は、われわれが確立した多段階EMT誘導癌細胞モデルを用いて組織幹細胞特性および癌幹細胞特性を解析することで、口腔癌細胞におけるEMTおよび癌幹細胞を介した癌の進展のメカニズムを明確にすることが目的である。
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研究実績の概要 |
癌の局所浸潤に大きく関与するものとして、上皮間葉転換(EMT)が知られている。一方、癌の進展にかかわるもう一つの因子として、癌幹細胞仮説が報告されている。癌細胞はEMTを利用して局所浸潤し、癌細胞特性を用いて転移巣を形成するため、癌の進展過程において、これらEMTと癌幹細胞仮説は重なり合うと考えられる。本研究は、われわれが確立した多段階EMT誘導癌細胞モデルを用いて組織幹細胞特性および癌幹細胞特性を解析することで、口腔癌細胞におけるEMTおよび癌幹細胞を介した癌の進展のメカニズムを明確にすることが目的である。 これまでに口腔扁平上皮癌細胞株OM-1の保持する、神経幹細胞特性や造血幹細胞特性について検討し、それらがEMTに伴いどのように変化するか解析した。さらに神経幹細胞マーカーとしてNestin、造血幹細胞マーカーとしてCD34を用いて解析を行った。sphere formation assayおよびFACS解析を行い、EMTの各段階における癌細胞特性の変化について解析した。今後も当初の予定通り研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初より実験計画していた、口腔扁平上皮癌細胞株OM-1の、EMTの各段階における神経幹細胞マーカーNestinと造血幹細胞マーカーCD34の解析を進めている。OM1がEMTを生じる段階で、OM-1で強発現していた扁平上皮幹細胞マーカーp75の発現は減弱し、可逆性EMTにおける神経幹細胞マーカーNestinの発現をいったん介してから、造血幹細胞マーカーであるCD34陽性細胞の出現へと移行する結果が得られている。興味深い点として、EMTが進行する段階で中胚葉初期マーカーのBrachyuryの発言が生じたことから、EMTによる分化転換により、脱分化も生じていることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究方針として以下を予定している。 Snail誘導性EMTと癌幹細胞特性の関連性の解析:既知の癌幹細胞マーカーであるCD44やCD133を用いた解析を行う予定である。 1.CD44およびCD133のモノクローナル抗体を用い、FACS解析による陽性細胞の割合の確認と、蛍光免疫細胞染色によってCD44およびCD133の細胞内局在の確認を行う。 2.病理組織切片の免疫組織化学染色を行い、分化型、浸潤様式、転移様相などの臨床病理学的要素との関連について検討する。 以上の実験を行い、EMTの各段階における癌幹細胞特性の変化を検討する。
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