研究課題/領域番号 |
22K17176
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
北浦 義昭 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (00816895)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨形成不全症 / ペプチド / 経口投与 / 骨折 / 骨形成 |
研究開始時の研究の概要 |
全身の骨脆弱性を示す難病指定希少疾患である骨形成不全症では、骨折頻度の減少を目的とした内科的治療が行われる。現在薬事承認されている治療薬は、骨折患者への投与は禁忌となっており、有効かつ安全な新規治療薬の開発が望まれている。 申請者らは、固有のペプチド・エンジニアリング技術により、鶏卵黄加水分解物から骨芽細胞増殖活性を有する新規骨形成性ペプチドを単離、同定した。 本研究では、骨形成不全症に対して、新規骨形成性ペプチド投与による骨折予防及び骨折治療効果の検証と、その作用メカニズムの解明を目指す。本研究を通して、骨形成不全症への臨床応用を見据えた、安全で経口投与可能な新規ペプチド製剤の可能性を検討する。
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研究実績の概要 |
骨形成不全症は、2010年版の骨系統疾患国際分類に従えば、臨床症状に応じて5つのタイプに分けられる。本研究では、症例数を考慮して、骨形成不全症患者の45%を占めるTypeⅠのモデルマウス(Col1a1-Mov13マウス)と、約20%の患者で生じるTypeⅢ(Col1a2-oimマウス)を使用して、繁殖を行い、各マウスの基本的な生態を確認し、骨に関する基本データを取得した。 TypeⅠは、Ⅰ型コラーゲンの産生量が50%低下し、老化が早く、繁殖能力も低いため、自然交配による繁殖は困難と判断、人工授精による繁殖を実施した。TypeⅢは、Ⅰ型コラーゲンの質的変異を伴うタイプで、TypeⅠよりさらに成長不全が顕著となり、体長もより小型となり、同一ケージ内での複数繁殖が困難であることが判明した。繁殖活動と並行して遺伝子検査方法を検討し、各モデルマウスについて、正確性、再現性の高い遺伝子検査法を確立した。 また、新規ペプチドによる骨形成能の向上を野生型ラットで検討し、骨成長速度が、投与したペプチドの濃度依存的に向上することを確認した。 さらに、本ペプチドによる細胞内シグナル伝達経路を明らかにするため、骨芽細胞前駆細胞(MC3T3)を用いて、培養液中への本ペプチド添加後の各種メッセンジャRNAの変化を調べた結果、BMPの系統とIGF-1の系統に大きく作用することが分かった。同時に毒性試験も実施したが、水に可溶な濃度範囲での細胞毒性は確認できず、極めて安全に投与できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨形成不全症は、全身の脆弱性を示す難病指定希少疾患であり、研究に必要なモデルマウスについても希少で情報が少なく、脆弱であることから、飼育方法の樹立が必須である。初年度に2種のモデルマウスについて、それぞれの特徴を把握し、繁殖方法についても確立できたことから、次年度以降に向けての研究の見通しをつけることが出来た。 並行して進めている細胞実験についても、骨形成能の向上を示すメッセンジャーRNAの上昇が確認され、細胞内シグナル伝達経路についても候補が見つかっている。 以上、in-vivo、in-vitro共に必要な予備検討が順調に進行し、本格研究に向けての見通しを得た。
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今後の研究の推進方策 |
骨形成不全症という希少疾患の研究に必要なモデルマウスの準備に目途がつき、細胞実験により、投与量と骨系形成能の関係も明確になったことから、今後はモデルマウスを用いた本格研究に移行し、細胞実験についても、モデルマウスから採取した細胞を使用して検討を進めていく。 具体的には、2種のモデルマウスの成長初期からペプチドを投与し、成長過程(骨格形成)に対するペプチド投与効果を確認する。また、骨折モデルを用いて、骨形成不全症の1つの特徴である易骨折性の治癒改善を検討する。 さらに、モデルマウスからプライマリーな細胞を採取し、ペプチド添加による分化や増殖に対する効果や、シグナル伝達経路の明確化を検討していく。
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