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口腔がん関連長鎖非コードRNAによるIFN応答の意義と応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K17188
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57060:外科系歯学関連
研究機関札幌医科大学

研究代表者

畠中 柚衣  札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60815265)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード長鎖noncoding RNA / DLEU1 / 口腔がん / インターフェロンシグナル / インターフェロン応答
研究開始時の研究の概要

応募者は、口腔がん細胞において高発現する長鎖noncoding RNA (lncRNA)としてDLEU1 (deleted in lymphocytic leukemia 1)を同定した。本研究は、口腔がんにおけるDLEU1の分子機能および臨床的意義を明らかにし、新たな治療法の開発につなげることを目的とする。そのために、(1) DLEU1が口腔がん細胞のIFNシグナルを活性化するメカニズムを明らかにする、(2) DLEU1によるヒストン修飾変化のメカニズムおよびその機能的意義を解明する、(3) DLEU1が腫瘍免疫に与える影響を解析し、治療への応用可能性を明らかにする。

研究実績の概要

口腔がん細胞におけるDLEU1の分子機能を明らかにするため、口腔がん細胞株を用いた機能解析を行った。DLEU1をsiRNAによりノックダウンして、cell viabilityアッセイ、細胞周期アッセイ、アポトーシスアッセイを行った結果、細胞増殖の抑制、細胞周期停止、アポトーシスの誘導が認められた。逆にレンチウイルスベクターによるDLEU1の過剰発現は細胞増殖を促進した。
DELU1が遺伝子発現プロファイルおよびエピゲノムに与える影響を明らかにするため、DLEU1ノックダウン後に遺伝子発現マイクロアレイ解析、およびクロマチン免疫沈降シークエンス(ChIP-seq)によるヒストンH3リジン4トリメチル化(H3K4me3)と、ヒストンH3リジン27アセチル化(H3K27ac)の解析を行った。その結果、インターフェロン応答や免疫応答に関わる遺伝子の発現およびH3K27acが、DLEU1ノックダウンにより有意に低下することを明らかにした。IFIT1、IFITM1、IFI6など代表的なインターフェロン応答遺伝子を選択し、遺伝子発現を定量RT-PCR、H3K27acレベルをChIP-qPCRで検証した結果、DLEU1ノックダウンによる低下を確認した。逆にDLEU1の過剰発現により、IFITM1やOAS1などインターフェロン応答遺伝子の発現およびH3K27acレベルが上昇した。これらの結果からDLEU1が口腔がん細胞のインターフェロン応答を活性化することを明らかにした。
DLUE1ノックダウンにより発現低下するインターフェロン応答遺伝子の中から、IFITM1に着目して解析を行った。IFTM1が口腔がん臨床例において発現上昇していることを見出した。IFITM1のノックダウンは口腔がん細胞の増殖、遊走、浸潤を抑制した。これらの結果から、DLEU1がインターフェロン応答遺伝子の制御を介して腫瘍促進的に働くことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔がん細胞におけるDLEU1の分子機能を明らかにするため、トランスクリプトーム解析とエピゲノム解析を行い、DLEU1が口腔がん細胞のインターフェロン応答シグナルを活性化することを明らかにした。その結果を、DLEU1過剰発現系で検証した。DLEU1により制御を受けるインターフェロン応答遺伝子を抽出し、機能解析を行った。

今後の研究の推進方策

さらに複数の口腔がん細胞株を用いて、トランスクリプトーム・エピゲノムデータを収集する。それらのデータのバイオインフォマティクス解析を行い、DLEU1の分子機能の推測を行う。またDLEU1の下流標的遺伝子候補を同定し、口腔がん細胞を用いて機能解析を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] ACLP Activates Cancer-Associated Fibroblasts and Inhibits CD8+ T-Cell Infiltration in Oral Squamous Cell Carcinoma2023

    • 著者名/発表者名
      Sekiguchi Shohei、Yorozu Akira、Okazaki Fumika、Niinuma Takeshi、Takasawa Akira、Yamamoto Eiichiro、Kitajima Hiroshi、Kubo Toshiyuki、Hatanaka Yui、Nishiyama Koyo、Ogi Kazuhiro、Kai Masahiro、Hirohashi Yoshihiko、Torigoe Toshihiko、Kojima Takashi、Osanai Makoto、Takano Kenichi、Miyazaki Akihiro、Suzuki Hiromu
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 15 号: 17 ページ: 4303-4303

    • DOI

      10.3390/cancers15174303

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] CXCL12 is expressed by skeletal muscle cells in tongue oral squamous cell carcinoma.2023

    • 著者名/発表者名
      Yorozu A, Sekiguchi S, Takasawa A, Okazaki F, Niinuma T, Kitajima H, Yamamoto E, Kai M, Toyota M, Hatanaka Y, Nishiyama K, Ogi K, Dehari H, Obata K, Kurose M, Kondo A, Osanai M, Miyazaki A, Takano K, Suzuki H.
    • 雑誌名

      Cancer Med.

      巻: 12 号: 5 ページ: 5953-5963

    • DOI

      10.1002/cam4.5392

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] LINC02154は頭頸部扁平上皮がんにおいて細胞周期関連遺伝子とミトコンドリア関連遺伝子を制御する.2023

    • 著者名/発表者名
      新沼猛,関口翔平,岡崎史佳,北嶋洋志,石黒一也,吉戸文乃,萬顕,畠中柚衣,西山廣陽,甲斐正広,宮﨑晃亘,鈴木拓.
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腫瘍間質のAEBP1発現は口腔扁平上皮がんの進展を促進する.2023

    • 著者名/発表者名
      関口翔平,岡崎史佳,萬顕,山本英一郎,新沼猛,高澤啓,畠中柚衣,北嶋洋志,甲斐正広,小山内誠,廣橋良彦,鳥越俊彦,小島隆,高野賢一,宮﨑晃亘,鈴木拓.
    • 学会等名
      第82回日本癌学会学術総会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] LINC02154は頭頸部扁平上皮がんにおいて細胞周期関連遺伝子とミトコンドリア関連遺伝子を制御する.2023

    • 著者名/発表者名
      新沼猛,関口翔平,岡崎史佳,北嶋洋志,石黒一也,吉戸文乃,萬顕,畠中柚衣,西山廣陽,甲斐正広,宮﨑晃亘,鈴木拓.
    • 学会等名
      第46回分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 腫瘍間質のAEBP1は頭頚部扁平上皮がんの進展を促進する.2022

    • 著者名/発表者名
      関口翔平,萬顕,岡崎史佳,山本英一郎,新沼猛,高澤啓,須藤豪太,畠中柚衣,吉戸文乃,北嶋洋志,甲斐正広,小山内誠,廣橋良彦,小島隆,宮崎晃亘,鈴木拓.
    • 学会等名
      第81回日本癌学会学術総会.
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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