研究課題/領域番号 |
22K17191
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
城井 友幸 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (20907240)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 治療抵抗性口腔癌 / プロテアソーム阻害剤 / NF-κB |
研究開始時の研究の概要 |
再発・転移口腔癌に対するPTX+Cmab療法は、奏効率が高く、QOLを維持する治療として患者の生命予後に寄与している。一方で、PTX+Cmabが奏効せず緩和医療に移行する症例も存在する。申請者は、PTX+Cmabの効果増強作用には、PTEN増加量とNF-κB活性が関連することを確認した。そこで、PTX+CmabへNF-κB活性を抑制するプロテアソーム阻害剤を併用することで、PTX+Cmab不応症例に対し、生存率のさらなる延長に寄与できると考えた。本研究では、新規治療法確立のため、治療抵抗性の口腔癌に対するPTX+Cmabへのプロテアソーム阻害剤の併用効果の有効性について基礎的に検討する。
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研究実績の概要 |
近年、再発・転移口腔癌に対して行われているPTX+Cmab療法は、奏効率が高く、外来通院で治療可能なため、QOLを維持する治療として患者の生命予後に寄与している。一方で、PTX+Cmabが奏効せず緩和医療に移行する症例も存在する。申請者の所属施設では、PTX+Cmabのin vitro感受性試験を確立し、不適応症例の判定が可能であるが、その過程で、PTX単剤で効果なく、Cmab上乗せにより奏効した症例が多いことを発見し、その上乗せ効果のメカニズムを検討してきた。申請者は、このPTX+Cmabの効果増強作用には、PTENの経時的な増加量が関与していることを明らかにした。さらにPTEN増加量とNF-κB活性が関連することも確認した。そこで、PTX+CmabへNF-κB活性を抑制するプロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)を併用することで、PTX+Cmab不応症例に対し、生存率のさらなる延長に寄与できると考え、本研究では、新規治療法確立のため、口腔癌に対するPTX+Cmabへのプロテアソーム阻害剤の併用効果の有効性について基礎的に検討する。具体的には、抗癌剤感受性試験のCD-DST法を応用して、in vitroにおける、PTX+Cmabへのプロテアソーム阻害剤併用による抗腫瘍効果を確認する。また、プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブは、全身的な副作用も懸念されるため、可及的に低用量併用での抗腫瘍効果獲得が必要であり、PTX+Cmabに併用するボルテゾミブの適切な濃度、用量の検索を行う必要がある。PTX+Cmabに抵抗性のある口腔癌細胞株にボルテゾミブを併用した結果、濃度依存的に抗腫瘍効果を示し、Cmaxの1/10程度の低用量ボルテゾミブ併用で十分な抗腫瘍効果を示した。さらにヌードマウスを使用したin vivoにおいても少量のボルテゾミブ併用で抗腫瘍効果を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
抗癌剤感受性試験であるCD-DST法を応用して、PTX+Cmabへの、プロテアソーム阻害剤であるボルテゾミブ併用による抗腫瘍効果を確認できている。in vitroにおいては、PTX+Cmabに抵抗性のある口腔癌細胞株へ、極めて低濃度のプロテアソーム阻害剤をPTX+Cmabへ併用したところ、抗癌剤感受性が向上し、明らかな有効性が示された。in vivoにおいても少量のボルテゾミブ併用で十分な抗腫瘍効果を認めた。
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今後の研究の推進方策 |
より低濃度でプロテアソーム阻害剤を併用する必要があるため、併用濃度の検証のためさらに複数の口腔癌細胞株を使用し、最低併用濃度を検討する。さらに、ヌードマウスを使用し、in vivoでのプロテアソーム阻害剤併用効果の検討を行い、合併症の軽減のため、投与量の検討が必要である。
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