研究課題/領域番号 |
22K17198
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
野島 瞳 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (40878203)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | α線源 / Ra-224線源 / 低線量率小線源治療 / 口腔がん / 細胞周期 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔がんに対する全く新しい低線量率小線源治療としてα線源を用いた方法がイスラエルで開発され、2019年度より申請者の所属する施設で治験が開始された。しかし、新規治療法であるが故に、α線源による細胞周期変化やDNA損傷等への影響といった放射線生物学的知見はほとんど得られていない。今後この治療法を確実にかつ適切に応用するためには生物学的アプローチが必須である。また、α線源の吸収線量の推定も現状では不十分である。本研究では、細胞周期を可視化できるFucciを導入した細胞を用いて、α線源による細胞動態を詳細に検討し、さらに吸収線量の情報と組み合わせることで、より有効なα線源による治療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
口腔がんに対する全く新しい放射線治療としてα線源を用いた方法(Alpha-DaRT)がイスラエルで開発され、2019年度より申請者の所属する施設で治験が開始された。 しかし、新規治療法であるが故に、α線源による細胞のDNA損傷応答(DDR)に関する知見はほとんど得られていない。今後、この治療法をより確実にかつ適切に応用するためには生物学的アプローチが必須であると考えられる。また、α線源の実際の吸収線量の推定も現状では不十分である。本研究では、細胞周期を可視化できるFucciを導入した細胞を用いて、α線源治療後のDDRを詳細に検討し、さらに吸収線量の情報と組み合わせることで、より有効なα線源による治療法の確立を目指す。 2023年度は、下記結果を論文にまとめ、成果として報告した。in vitroにて、線源1mm以内では24時間後に膨大なα粒子と致死的なDNA損傷が検出され、両者は強く相関した。細胞周期はそれよりも広範囲にG2アレストが誘導された。その後のタイムラプス観察では、線源からの距離により細胞周期が変化し、様々な周期で細胞死が生じることが明らかとなった。また、治療効果の主体を担うと考えられる娘核種による影響を調べるため、線源を培養液中に留置し得られた上清を用いて、生存率を含む細胞への影響を調べた。濃度依存的にα粒子数とDNA損傷数が減少し、生存率はα粒子数増加とともに指数関数的に低下した。また、これらの情報とモンテカルロ法によるマイクロドジメトリにて得られた吸収線量の推定値と生存率の関係は、α粒子による既報と矛盾しない結果であった。 また、in vivoでは、α線源の刺入に適した条件の腫瘍を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、α線源を用いた実験が進行している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのin vitroの成果は論文報告済であり、今後はin vivoでの実験を主体に行い、実臨床に近い条件での実験を進める予定である。
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