研究課題/領域番号 |
22K17200
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 康太郎 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (00908808)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | プラズマ / コラーゲン / フェロトーシス / 口腔癌 / プラズマ活性化乳酸リンゲル液 / 鉄 / コラーゲンクロスリンク |
研究開始時の研究の概要 |
乳酸リンゲル液にプラズマを照射してできたプラズマ活性乳酸リンゲル液(Plasma-Activated Ringer's Lactate Solution:PAL)の口腔癌への効果について、特にがん微小環境への影響に着目した研究を行う。その機序を解明することで、口腔がんに対する新規治療法の開発へと繋げたいと考えている。
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研究実績の概要 |
プラズマ活性化乳酸リンゲル液(PAL)を投与することで,口腔癌細胞では正常細胞と比較して低濃度で殺細胞効果を示し,癌細胞特異的に効果を発揮することを確認した.またウエスタンブロット法ではフェリチン,フェロポーチンの低下が見られ,フローサイトメトリーでは脂質過酸化,電子顕微鏡ではミトコンドリアの形態変化がみられた.以上より,細胞死として主にフェロトーシスが起こっていることを明らかにした.Migrationおよびinvasion assayでは遊走および浸潤能の減弱がみられ,上皮間葉転換と関わりがあるLysyl oxidase (LOX)の有意な発現低下がみられた.口腔癌モデルマウスを使用したIn vivoの実験でもPALを投与することで舌上皮におけるLOXの発現低下がみられ,さらには発癌および頸部リンパ節転移が抑制され,生存率は有意に延長した.マイクロアレイによる網羅的解析においてもLOXの低下がみられた.組織学的に検討したところ,コラーゲンの形成抑制が観察され,I型コラーゲン量および質の変化が見られた.血液検査では特に異常値は認めず、その他臓器に対する副作用は現時点では見られなかった.以上より,PALは口腔癌細胞に対してフェロトーシスを引き起こし,さらにコラーゲンおよびコラーゲンクロスリンクの形成を抑制することで転移を抑制させる可能性が示唆された.PALが口腔癌に対して副作用が少なく,効果的な治療方法であることが客観的に示されつつあり,今後の臨床研究への橋渡しとして重要な結果が得られたと考える.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
In vitroおよびin vivoの実験はともに順調に進んでおり,現在論文を執筆中である.
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今後の研究の推進方策 |
PAL投与によりLOXの低下がみられたものの,その他コラーゲンクロスリンクに関わる因子の検討は十分できていないのが現状である.その点を補うべく,コラーゲンクロスリンク解析などの追加実験を計画している.
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