研究課題/領域番号 |
22K17203
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤本 愉莉 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80913235)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 唇顎口蓋裂 / PNAM治療 / 口唇形成術 / 鼻孔プロテーゼ / 術前顎矯正治療 / P-NAM / 3次元的解析 / 外鼻形態 |
研究開始時の研究の概要 |
大阪大学歯学部附属病院 口唇裂・口蓋裂・口腔顔面成育治療センターでは、2012年よりPNAM を用いた術前顎矯正治療を行っている。しかし、PNAMの治療効果については国内外で未だ議論がある。そのため、本研究は、3Dデジタルカメラ(VECTRA)、上顎歯列模型、3Dスキャナー、画像解析ソフト(Rugle)等を使用し、PNAM治療による歯槽外鼻形態の継続的変化を3次元的に解析し、軟組織や顎堤の形態がどのように変化するのか、そして有効的なPNAM治療を行うにはどのように工夫をすれば良いのかを明確にし、治療プロトコールを確立させることを目的としている。
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研究実績の概要 |
1)PNAM治療の効果の検討 3D デジタルカメラ、上顎歯列模型、3Dスキャナーを用いて歯槽外鼻形態データを採取し(NAM治療開始前、口唇形成術前)、それぞれの3Dデータ重ね合わせて顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを構築した。それぞれの時期の顔面頭蓋に対する上顎の位置関係などを評価し、唇顎口蓋裂患者の顔面頭蓋と歯槽との位置関係に関する分析や、NAM治療の効果に関する検討を行った。本研究より、片側性唇顎口蓋裂児では、裂側の歯槽および口角点は、非裂側より頭側に偏在しており、NAM治療を行うことで左右の歯槽頂のgapや口裂の傾斜を改善できる可能性が示唆された。この結果を「顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを用いた片側性唇顎口蓋裂児のPNAM治療による歯槽・口裂形態変化の検討」として第47回日本口蓋裂学会総会・学術集会で発表予定である。
2)鼻孔レティナ(片側性鼻孔プロテーゼ)を用いた口唇形成術術前の大鼻翼軟骨の矯正効果の検討 口唇・外鼻形態を3次元デジタル写真で撮影し(鼻孔レティナ使用開始前、口唇形成術前)、使用前後の鼻孔形態の変化に関する分析を行う計画を立案していた。しかし、出生後すぐの患児は鼻孔がとても小さく既成のレティナが装着できない症例が散見された。そのため、鼻孔レティナを製造している業者と相談し、既成のものより小さい形態の片側性鼻孔レティナを試験的に作成することとなった。新たに開発した鼻孔レティナが完成したので、実際に治療に使用し、現在その効果を判定中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1)PNAM治療の効果の検討 3D デジタルカメラ、上顎歯列模型、3Dスキャナーを用いて歯槽外鼻形態データを採取し(NAM治療開始前、口唇形成術前)、それぞれの3Dデータ重ね合わせて顔面歯槽デジタルデータ統合モデルを構築し、それぞれの時期の顔面頭蓋に対する上顎の位置関係などを評価し、唇顎口蓋裂患者の顔面頭蓋の位置関係に関する分析や、NAM治療の効果に関する検討を行う計画を立案していた。当初、SDデジタルカメラを購入するところから始まる予定であったが、同様のカメラを使用できることとなったため、新たな3Dカメラの購入は行わないこととなった。しかし、別予算で入手した3Dスキャナーの入手に時間がかかったことから、予定よりも研究の開始が遅れた。
2)鼻孔レティナ(片側性鼻孔プロテーゼ)を用いた口唇形成術術前の大鼻翼軟骨の矯正効果の検討 口唇・外鼻形態を3次元デジタル写真で撮影し(鼻孔レティナ使用開始前、口唇形成術前)、使用前後の鼻孔形態の変化に関する分析を行う計画を立案していた。しかし、出生後すぐの患児は鼻孔がとても小さく既成のレティナが装着できない症例が散見され、既成のものより小さい形態の片側性鼻孔レティナを開発することとなったため、開発に半年以上を費やし、予定よりも研究の開始が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
1)PNAM治療の効果の検討 対象患者を増やし、より正確なデータを得られるように進めていく予定である。また、NAM治療の評価を行うことでより良い方法を検討していきたい。
2)鼻孔レティナ(片側性鼻孔プロテーゼ)を用いた口唇形成術術前の大鼻翼軟骨の矯正効果の検討 新たに開発した鼻孔レティナを使用する対象患者を増やし、その効果を検討していく予定でる。
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