研究課題/領域番号 |
22K17205
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
薬師寺 翔太 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (40907929)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | CCN3 / CCN2 / トランスジェニックマウス(Tg) / 口唇口蓋裂モデル / 軟骨分化 / 内軟骨性骨形成 / 口蓋裂 / 組織再生 / 口蓋裂モデルマウス / CCN3トランスジェニックマウス |
研究開始時の研究の概要 |
口唇口蓋裂における口唇および口蓋形成術は、審美障害や機能不全の改善を目的として乳幼児期に行われるが、唇裂や口蓋裂の裂幅が広いほど、後戻りや上顎骨の成長抑制などの原因となる。Hotz床による顎誘導やPNAM(術前鼻歯槽形成)装置での狭小化は、裂幅の広い症例では限界があり、Hotz床や手術以外での裂部狭小化の手法開発が求められている。今回、着目したCCN2は二次口蓋の形成に必要不可欠で、調和ある組織再生作用をもつことがわかっている。 本研究は、CCN2が骨組織と軟組織の調和的な同時再生を行うメカニズムの一端を解明することで、口蓋裂部での組織再生誘導剤としての有用性を実証することを目指す。
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研究実績の概要 |
研究初年度の2022年度には、当初の研究計画に基づき、Cellular Communication Network Factor (CCN)3の軟骨組織における過剰発現トランスジェニックマウス(CCN3tg)が口蓋裂モデルマウスとして使用可能か確かめるために、胚発生期における口蓋裂部の解析とともに、CCN3の過剰発現が内軟骨性骨形におよぼした影響について解析を行った。 1.2型コラーゲンプロモーターで発現誘導したCCN3tgマウスを作製した。ハプロタイプ同志の交配によって得られたディプロタイプ(CCN3tg/tg)胎児の約半数に口蓋裂が形成されることが明らかになった。一方で、残りの半数には口蓋裂が観察されず、出生後も少なくとも2ヶ月齢までは生存可能であったが、骨格の形成に大きな異常が見られた。2.胎生期11.5日齢の肢芽予定域の未分化間葉系細胞の高密度培養で、CCN3 tg/tgマウス群において強い軟骨基質の蓄積、石灰化の促進を伴った早い軟骨分化マーカーの出現が見られた。当初の予測に反し、CCN2の発現は上昇した。3.CCN3tg/tgマウスの胎生期の骨格の形態学解析から、CCN3 tg/tgマウスの長管骨は太く短く、軟骨組織の成長板において、増殖層の不整が観察された。4.胎生期CCN3tg/tg長管骨のin situ hybridizationでCCN3tg/tgにおいて軟骨分化マーカー、骨形成マーカーの発現の遅延が観察された。 また、これまでの申請者らの報告で、CCN3は軟骨細胞の増殖を強く抑制することが明らかとなっている。これらの結果から、CCN3tg/tgマウスでは、軟骨細胞の増殖が抑制される一方で、CCN2の発現促進を伴いながら軟骨の分化が促進されると考えられた。 本研究は申請者の所属変更によって中断を余儀なくされたが、本結果は国際情報誌に発信する予定である。
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