研究課題/領域番号 |
22K17223
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
野口 隆弘 東北大学, 大学病院, 助教 (20907430)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 矯正学的歯の移動 / TNF-α / RANK / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
破骨細胞形成には、M-CSFとRANKLの2つのサイトカインに加え炎症性サイトカインであるTNF-αも重要な因子として認識されている。また、近年エピジェネティクスが細胞や組織の発生・分化の制御に必須の機構であることが明らかになっている。しかし、TNF-αが関与する破骨細胞形成と歯の移動メカニズムをエピジェネティクスの観点から明らかにした報告はまだない。ヒストンメチル化酵素SET7/9は TNF-αによる炎症性遺伝子発現への関与が示唆されている。本研究ではSET7/9によるヒストン修飾に注目し、破骨細胞分化および矯正学的歯の移動の分子メカニズムの解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、TNF-αによる破骨細胞分化におけるSET7/9の役割と分子機構を明らかにすることを目的として解析を行った。その結果、TNF-αにより亢進する破骨細胞前駆細胞上のRANK発現にNF-κBおよびSET7/9が関与することが明らかになった。また、NF-κBとSET7/9は、TNF-α、RANKLの相乗作用による破骨細胞形成に関与していることが示唆された。さらに、SET7/9はNF-κBのサブユニットであるp65と相互作用し、TNF-αによりその複合体は核内に移行する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国内外の破骨細胞形成のエピジェネティクス制御に関する研究は未だ少なく、特にTNF-αが関与する破骨細胞形成に対するヒストン修飾酵素の影響についての報告は皆無である。本研究において、ヒストン修飾酵素SET7/9は破骨細胞前駆細胞に発現し、NF-κBと相互作用し、TNF-αで亢進するRANK発現に影響していることが推測された。病的骨疾患に対するヒストン修飾酵素阻害薬としてSET7/9が重要なターゲットとなる可能性がある。
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