研究課題/領域番号 |
22K17228
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
後藤 花奈 岡山大学, 大学病院, 助教 (90846495)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | Streptococcus mutans / バイオフィルム / ABCトランスポーター / 膜タンパク / シグナル伝達システム |
研究開始時の研究の概要 |
齲蝕の主要な病原性細菌であるS. mutans の菌体表層には病原性の高いタンパクが多く存在し、それらの発現により口腔バイオフィルムが形成され病原性を発揮している。これらの表層タンパクの1つであるABCトランスポーターは、限られた栄養源の中で必要なものを取り込み、不必要なものを排出する働きを持ち、バイオフィルム形成に関与していると考えられている。 本研究の目的は、ABCトランスポーターの機能を明らかにし、S. mutans のバイオフィルム形成における新たなシグナル伝達システムを解明することである。これらの解析を行うことで、新たな齲蝕予防システムを確立することに繋がると考えている。
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研究成果の概要 |
本研究では,Streptococcus mutans ABCトランスポーターのバイオフィルム形成への関与をその欠失変異株を作製し検討した。その結果,欠失変異株においては親株と比較して,バイオフィルム形成量は低下しその構造は粗造に変化しており,抗菌薬に対する感受性が上昇していた。以上より,ABCトランスポーターはバイオフィルム形成に関与し抗菌薬輸送にも関与していることが明らかとなった。しかしながら,2成分調節因子を主体とするシグナル伝達システムとは関連しないことが明らかとなったことから,本研究で明らかとなったABCトランスポーターは新たなシグナル伝達システムによって制御されていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
S. mutans のABCトランスポーターは,限られた栄養源の中で必要なものを取り込み,不必要なものを排出するため,S. mutansはあらゆる環境で生育しバイオフィルムを形成し続けることが可能である。本研究において,着目したABCトランスポーターはバイオフィルム形成に関与し,抗菌薬輸送にも関連することが明らかとなった。しかしながら,着目したABCトランスポーターはCSP以外のシグナル伝達システムによって制御されている可能性が示された。今後,ABCトランスポーターの関与するシグナル伝達システムのメカニズムおよび発現抑制方法を検討することで,新たな齲蝕予防システムの確立に繋がると考えている。
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