研究課題/領域番号 |
22K17232
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
河原林 啓太 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (60876291)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 低位舌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では低位舌を3次元的に定量評価するだけでなく、低位舌の原因と考えられている鼻腔通気状態、CT値から得られた舌の筋の質的・量的評価、舌の体積を用いた包括的評 価を行うことで、その結果、低位舌 が顎顔面歯列咬合形態におよぼす影響について明らかにできれば、正常な舌位の獲得による咬合治療後の歯列咬合状態の安定に役立つ知見を得ることができるのではないかと考える。
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研究実績の概要 |
低位舌は本来あるべき口蓋に接せず、口蓋から離れた低位にあるため、顎顔面歯列咬合形態に影響をおよぼすと考えられている。しかし、従来、用いられてきた側面頭部エックス線規 格写真を用いた低位舌が顎顔面歯列咬合 形態におよぼす影響を明確にできないでいた。そこで令和4年度は低位舌の程度を舌背と口蓋の間の空間の体積を用い3次元的に定量評価するとともに、低位舌に影響する口呼吸の原因のひとつである鼻腔通気障害、さらに舌の新規機能的評価 方法として、CT値から舌筋の質量的・量的解析、舌の体積の計測を行い、これら機能的ならびに形態的方法を用いて低位舌の包括的評価を行い、低位舌と顎顔面歯列咬合形態との関連を調査した。この関連を明らかにすることで、舌位を通した顎顔面歯列咬合形態の健全な成長発達や咬合治療後の歯列咬合状態の長期の安定に寄与する知見が得られるものと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
低位舌が顎顔面歯列咬合形態に影響していることを明らかにして、正常な舌位の獲得により良好な歯列形態の獲得ならびに歯列咬合治療後の安定した歯列形態の維持に有用な知見の 獲得を目的に本研究を行いたい。低位舌についてはこれまで側面頭部エックス線規格写真で口蓋との距離を評価したものがほとんどで、舌背の形状は側面観、正面、水平面から見ても多岐にわたり、側面からだけで量的に正確に評価することは困難である。しかし研究代表者が用いた低位舌の 量的評価方法の先行研究は、口蓋と舌の間の空間 の体積を評価しており、3次元的に変化に富んだ 舌背の形態だけでなく、口蓋形態に影響されず、定量評価が可能である。本方法は研究代表者が知る限り、舌位に対してこのようにCBCTを用いた舌と 口蓋間の空気部分の体積から低位舌を評価する方法は研究協力者が知る限り行われておらず、独自性の高い精度の研究といえる。以上の理由より、より高い精度、創造性を達成するため、遅れをとっている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
上顎急速拡大による歯列拡大後のCBCTデータの解析を初年度と同様に行い、拡大前後の解 析結果を比較し、低位舌、鼻腔通気状態ならびに顎顔面歯列咬合形態の改善状態を検討する。 具体的には、低位舌と顎顔面歯列咬合形態との関係、低位舌とその機能的問題(鼻腔通気障害、舌筋の質的・量的状態、舌の大きさ)との関連、低位舌と上顎急速拡大後の歯列形態 の安定性との関連を明らかにするため、上顎急速拡大前だけでなく、拡大後も低位舌を認めた症例と拡大後に低位舌が改善された症例を比較し、舌位と拡大された歯列の状態をどの程 度維持することになるか検討し、舌位の歯列形態の維持への役割を明らかにしたい。
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