配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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研究実績の概要 |
【目的】変形性顎関節症や開咬を伴う骨格性上顎前突症の外科的矯正治療では,下顎骨遠位骨片の前方移動に伴い開口筋群が伸展し, 近位骨片には後方へ牽引力が生じ下顎頭への負荷が増加する可能性がある。下顎頭への負担過重は進行性下顎頭吸収の発症や術後の後戻りに関与すると考えられる。このような症例に対し,Le Fort I型骨切り術(LF1)による上顎上方移動を行い,下顎はautorotationさせて前方移動量を軽減し,下顎の骨切り(両側下顎枝矢状分割術: BSSRO)を可能な場合には回避する術式[Mandibular autorotation concept (MAC) surgery]で下顎・関節頭に対する機械的負荷を最小限に抑えた治療を行っている。硬組織の変化に関する術後安定性が非常に高いことは既に報告しているが, 今回我々は下顎の運動に関連の深い咬筋および内側翼突筋の形態変化, ならびに舌骨上筋群が付着する舌骨の位置に関する検討を行った。【対象・方法】骨格性上顎前突症の診断にて従来法(LF1+ BSSRO)を施行した患者, ならびにMAC surgery(LF1単独, またはLF1と上顎前方歯槽骨切術)を施行した患者。術直前(T0)および術後1年(T1)の2時点のCTを用い, 医用画像分析ソフトを用いて, 咬筋と内側翼突筋の体積, ならびに舌骨の位置を計測した。【結果・結論】T0からT1における咬筋・内側翼突筋体積は,MAC surgery症例では減少した。また, 舌骨は, 従来法では後下方・後方・前方へ, MAC surgeryで後上方・後方へ移動した。従来法と比較しMAC surgeryでは咀嚼筋の移動変化様相が異なる可能性があり, 今後症例数を増やした更なる検討が必要であると考えられた。
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