研究課題/領域番号 |
22K17265
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
草間 太郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00907892)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 口腔機能 / 認知症 / 低栄養 / 媒介分析 / 口腔疾患 / 因果推論 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの研究から口腔の健康が認知症・心疾患・死亡などの全身の健康に影響することが示唆されているが、そのメカニズムについて、疫学研究で明らかにできていない。口腔の健康と全身の健康をつなぐメカニズムとして、栄養状態の悪化・全身的な炎症亢進・社会活動の低下が挙げられている。本研究では多時点大規模コホートデータに因果媒介分析・周辺構造モデルを応用して、口腔の健康が全身の健康に影響を与えるメカニズムを明らかにする。歯科疾患や口腔機能の低下は有病率が非常に高い健康問題であり、その全身の健康への影響のメカニズムを明らかにして、歯科保健を通して全身の健康の維持・増進につながるエビデンスを築く。
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研究実績の概要 |
今年度は日本国内の複数の自治体を対象とした大規模コホート調査である日本老年学的評価研究の参加者のうち、2010年調査に参加した65歳以上の自立高齢者37,556人を9年間追跡したコホートデータを用いて、口腔状態の悪化(歯の喪失・咀嚼困難・むせ・口腔乾燥)と認知症発症リスク上昇との関連について、認知機能低下による時間依存性交絡による影響を周辺構造モデルを用いて除外して検討を行った。口腔状態の悪化と認知機能低下については、お互いに影響し合う双方向の関連性が報告されており、本研究では2時点で測定を行い分析で考慮することによって、口腔状態悪化→認知機能低下→口腔状態悪化という経時的なフィードバックによるバイアスの影響を周辺構造モデルにより取り除く。感度分析として3時点で測定した口腔状態と認知機能を考慮した分析も行った。 対象者集団における認知症の発症率は100人年あたり2.2であり、ベースライン時点で口腔状態の悪かった者において、認知症の発症率は高かった。周辺構造モデルを用いたコックス回帰分析の結果、歯数が19本以下の者で認知症リスクが1.12倍(95%信頼区間:1.03-1.23)、無歯顎の者で1.20倍(95%信頼区間:1.09-1.32)、咀嚼困難を有する者で1.11倍(95%信頼区間:1.02-1.21)、口腔乾燥を有する者で1.10倍(95%信頼区間:1.01-1.20)有意に高かった。しかし、むせを有する者では有意な関連は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度までに、当初の研究計画で予定していた3つの研究テーマのうち2つについて、分析を終え論文発表まで完了している。最終年度内にすべての計画を終わらせることができると考える。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は2022年に実施した調査結果のデータも含めて分析を進める予定である。また、生体データを含むデータの分析も進める予定である。
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