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歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定と歯髄炎の新規治療法開発を目指した基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K17271
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分57080:社会系歯学関連
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

市岡 宏顕  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50739969)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
キーワード薬物分布 / 歯 / 質量分析イメージング / 死後変化 / 大腿骨 / 歯髄炎
研究開始時の研究の概要

法医鑑定では全ての事例において薬毒物の関与を疑い、薬毒物検査を行う。高度腐敗死体や白骨化死体などでは血液などを採取できないことが多く、歯を代替試料として利用できないかと考えた。本研究では、歯への薬物分布のメカニズムを解析し、死体の歯の薬物濃度から死亡時の血中濃度を推定する方法を確立する。
また、抗菌薬投与ラットを用いて歯髄に局在する抗菌薬の抗炎症作用を質量分析イメージングで解析し、歯髄炎に抗菌薬投与は有効か、あるいは無効であれはその原因を明らかにすることにした。

研究実績の概要

カルバマゼピン投与ラットにおいて、液体クロマトグラフィー質量分析法(Liquid Chromatography Mass Spectrometry)を用いた歯牙中薬物定量に成功し、歯牙中と心内血中のカルバマゼピン濃度が高い相関関係を示し、歯牙のカルバマゼピン濃度は死後も安定であり、歯牙を用いた高度腐敗遺体の血中薬毒物濃度推定に応用できる可能性を、広く公表するために、英文誌に投稿、掲載された。
歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定の正確性の向上のため、歯牙と同様に死後保存性の高い、骨に着目し、ラットを用い、大腿骨中のカルバマゼピン濃度や死後安定性について検討した。ラットにカルバマゼピン 100 mg/kgを腹腔内投与し、投与15, 30, 60, 90, 120, 180分後に安楽死させ、大腿骨を採取した。また、ラットに20, 100, 500 mg/kg のカルバマゼピンを投与し、投与60分後に大腿骨を採取しカルバマゼピン濃度を測定した。さらに、ラットにカルバマゼピン 100mg/kgを投与60分後に安楽死させ、室温にて0, 3, 7, 15日経過した後、大腿骨を採取しカルバマゼピン濃度を測定した。その結果、カルバマゼピン投与ラットの大腿骨から、カルバマゼピンが検出された。ラット大腿骨中のカルバマゼピン濃度は、投与濃度依存的に増大した。死後時間経過したラットの大腿骨から、カルバマゼピンが検出された。大腿骨中のカルバマゼピン濃度と心内血血清中のカルバマゼピン濃度、大腿骨中のカルバマゼピン濃度と歯牙中のカルバマゼピン濃度の相関を認めた。以上の結果から、歯牙と同様に、血液や臓器の採取困難な高度腐敗遺体における薬物定量に大腿骨が有用であると考えられた。これらの結果を広く公表するために、英文誌に投稿し、現在、査読中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯牙を用いた死亡時血中薬物濃度推定法の確立のための基礎研究が順調に行われている。

今後の研究の推進方策

今後、より正確な高度腐敗遺体の血中薬毒物濃度推定を目指す。そのために、カルバマゼピン投与ラットの筋肉を用いて、これまでと同様の内容の実験を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Application of Teeth in Toxicological Analysis of Decomposed Cadavers Using a Carbamazepine-Administered Rat Model2023

    • 著者名/発表者名
      Ichioka Hiroaki、Saito Urara、Shintani-Ishida Kaori、Shirahase Takahira、Idota Nozomi、Kanamura Narisato、Ikegaya Hiroshi
    • 雑誌名

      Diagnostics

      巻: 13 号: 2 ページ: 311-311

    • DOI

      10.3390/diagnostics13020311

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] カルバマゼピン投与ラットを用いた大腿骨への薬物分布と死後安定性に関する研究2023

    • 著者名/発表者名
      市岡宏顕、河本真孝、坂東李紗、岡本 肇、池谷 博
    • 学会等名
      日本法歯科医学会第17回学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書 2022 実施状況報告書
  • [備考] 京都府立医科大学 法医学教室 研究業績

    • URL

      https://square.umin.ac.jp/kpum-hoi/achievement.html

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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