研究課題/領域番号 |
22K17278
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 祐介 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (90780057)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | インプラント周囲組織の健康維持 / 匂い測定 / 乳酸菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、複数の要因に同時に働きかけることで、より高い予防効果が得られるはずであるという考えから、ナノ銀粒子によるインプラント体の抗菌加工 (病因) とプロバイオティクスによる免疫機能向上 (宿主要因) とを組み合わせ、さらに、環境要因の調査データを加えることにより、より優れたインプラント周囲組織の健康維持戦略を明らかにする。
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研究実績の概要 |
インプラント周囲炎のより優れた発症予防法を確立することを目的とし、疫学3要因(病因、宿主要因、環境要因)に同時に働きかける予防戦力の効果を検証することとした。 これまでに乳酸菌タブレットの継続摂取による口腔インプラント周囲組織の健康管理として、歯周炎や口臭の抑制効果が報告されている乳酸菌Lactobacillussalivarius WB21株 (LSWB21) の継続摂取によって,インプラント周囲粘膜炎の発症を予防できるかどうかを調査した。その結果、乳酸菌LSWB21株の継続摂取は、インプラント周囲粘膜炎の発症予防に効果的であることが示唆されるデータを得た。 また、ナノ銀粒子によるインプラント上部構造の抗菌加工によりより優れたインプラント周囲組織の健康維持戦力を明らかにする調査を開始した。 インプラント上部構造の周囲組織の炎症度合い・インプラント体の細菌叢と官能スコアによる臭気・臭気測定器によるスコアの相関関係を調べることにより、インプラント周囲組織の炎症度合い・インプラント体の細菌叢を臭気スコアにより判別することを目指す。そのうえで、上部構造への銀イオンコーティングがインプラント周囲組織の健康維持にどれほど寄与しているか調査する。現状では、17症例ほどのデータ取得を開始しており、最終的に30症例データを収集することを目指している。 これまでに、ガスクロマトグラフィー分析ではいずれの患者においてもピークが検出されなかった。このことからインプラント周囲炎の臭いは揮発性硫黄化合物ではなく、他の臭気成分である可能性が示唆された。また、臭気測定機によるスコアの相関関係よりインプラント周囲炎特有のエリアが特定できる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は臨床研究であり、患者の協力が必要不可欠である。 現在までに29症例のデータ収集を行い、データ解析を行っている。 2024年度までにデータ解析を終わらせ、学会発表と論文作成を行う予定であることから、予定通りに研究は進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
得られたデータ29サンプルを、アンプリコンシーケンス解析により細菌叢を分析する。 得られた細菌叢の多様性解析と群間比較解析を行い、インプラント周囲炎の細菌叢の解明とその細菌叢をニオイで分類が出来るかどうかを検討する。 このことにより、現在インプラント周囲炎に罹患していないが、将来インプラント周囲炎に罹患するリスクが高い症例を予測判定できることを目指す。 また、本研究結果で明らかになった臭気ありと臭気なし群のインプラント上部構造に対して銀イオンコーティングを行い、臭気がどのように変化するのか調査を行う。 インプラント体から採取した細菌PCR検査を行い、インプラント周囲炎群と健康歯肉の中で臭気ありと臭気なしの、歯肉状態、官能スコア、匂い分布と細菌との相関関係を調査していく。
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